好中球：IBDから腸内細菌叢まで
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出版：2023年12月18日
好中球：IBDから腸内細菌叢まで
https://www.nature.com/articles/s41575-023-00871-3?utm_source=dlvr.it&utm_medium=twitter
カミーユ・ダンヌ、ジュラテ・スケルニスキーテ、...ハリー・ソコル 著者表示
ネイチャー・レビュー 消化器・肝臓学 (2023)この記事を引用する
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概要
炎症性腸疾患（IBD）は、自然免疫応答および／または適応免疫応答の機能障害に起因する、消化管の慢性炎症性疾患である。自然免疫の障害は、変化した腸内細菌叢を制御できず、適応免疫系の活性化につながり、組織損傷の原因となる二次的な炎症反応を促進する。好中球はIBDにおける自然免疫の重要な担い手であるが、その役割は他の免疫細胞に比べて軽視されてきた。IBDにおける好中球に関する最新の研究から、その集団が不均一であり、宿主にとって有害であると同時に保護的な二重機能を持つという、予想外の複雑さが明らかになってきた。これと並行して、疾患発症、腸内細菌叢、好中球の相互関連も浮き彫りになってきた。多くのIBD感受性遺伝子（NOD2、NCF4、LRRK2、CARD9など）は、微生物に対する防御に関連する好中球の機能に関与している。さらに、慢性肉芽腫性疾患を含む好中球の機能不全を伴う重症の単発性疾患は、IBDを模倣した腸の炎症と腸内細菌叢の変化によって特徴づけられる。この観察は好中球、腸の炎症、微生物叢の間の対話を示している。好中球はいくつかの方法で微生物叢の組成と機能に影響を与える。その見返りとして、代謝産物を含む微生物因子が好中球の産生と機能を直接的、間接的に制御している。新しいIBD治療法を開発するためには、宿主と微生物叢の相互作用において好中球が果たす多様な役割を、定常状態でも炎症状態でもさらに研究することが極めて重要である。本総説では、好中球と腸内細菌叢の間に強い相互関係があることを証明する新たなエビデンスを踏まえて、IBDにおける好中球の役割について、特に炎症性の状況下で考察する。
要点
炎症性腸疾患(IBD)における好中球の研究は、宿主にとって有害なものと保護的なものの両方を持つ異種集団と二重機能という予想外の複雑性を明らかにしてきた。
好中球の機能異常と腸内細菌叢の変化および腸炎との関連を支持する強力な証拠がある。
好中球は、特に炎症状態において、微生物叢の組成と機能に影響を及ぼす。
腸内細菌叢は好中球の産生と機能を、活性化から成熟まで制御している。
いくつかの微生物叢由来の代謝産物が好中球活性の調節因子として同定されている。
IBDのような微生物叢の変化に関連する複雑な疾患に取り組む新しい方法を開発するためには、宿主と微生物叢の相互作用において好中球が果たす役割を解明することが極めて重要である。
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論文
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著者情報
著者メモ
ユラテ・スケルニスキーテ
現住所 リトアニア、ヴィリニュス、ヴィリニュス大学ライフサイエンスセンター、バイオサイエンス研究所
著者および所属
ソルボンヌ大学、INSERM UMRS-938、サン・アントワーヌ研究センター、CRSA、AP-HP、サン・アントワーヌ病院、消化器内科、パリ、フランス
カミーユ・ダンヌ＆ハリー・ソコル
パリ・マイクロバイオーム医学センター（PaCeMM）、パリ、フランス
カミーユ・ダンヌ＆ハリー・ソコル
CNRS、UPR 9002、ストラスブール大学、ARN構築・活性化生物学・細胞学研究所、フランス、ストラスブール
ジュラート・スケルニスキーテ＆ブノワ・マルテイン
ストラスブール大学高等研究所（USIAS）／フランス・ストラスブール
ブノワ・マルテイン
パリ大学パスツール研究所、Inserm 1225血管感染病態研究ユニット、パリ、フランス
ベノワ・マルテイン
パリ・サクレー大学、INRAe、アグロパリテック、ミカリス研究所、ジュイ＝アン＝ジョザス、フランス
ハリー・ソコル
貢献
すべての著者は、原稿のすべての面で等しく貢献した。
責任著者
Camille Danne宛。
倫理申告
競合利益
H.S.は、Amgen、Fresenius、IPSEN、Actial、Astellas、Danone、THAC、Biose、BiomX、Eligo、Immusmol、Adare、Nestlé、Ferring、MSD、Bledina、Pfizer、Biocodex、BMS、Bromatech、Gilead、Janssen、Mayoli、Roche、Sanofi、Servier、武田薬品工業、AbbVieから講演料、理事会メンバー、コンサルタント料を得ている。他の著者は競合する利害関係はないと宣言している。
査読
査読情報
Nature Reviews Gastroenterology & Hepatologyは、Zhanju Liu氏、Britta Siegmund氏、Andrew Gewirtz氏による査読に感謝する。
その他の情報
出版社からの注記 Springer Natureは、出版された地図の管轄権の主張および所属機関に関して中立を保っています。
関連リンク
Ensembl バージョン103.38: http://www.ensembl.org/index.html
Human Protein Atlas バージョン22.0: https://www.proteinatlas.org/
権利と許可
シュプリンガー・ネイチャー社またはそのライセンサー（学会やその他のパートナーなど）は、著者またはその他の権利者との出版契約に基づき、本論文の独占的権利を保有しています。本論文の受理済み原稿版の著者によるセルフアーカイビングは、かかる出版契約の条件および適用法のみに準拠します。
転載と許可
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この記事の引用
Danne, C., Skerniskyte, J., Marteyn, B. et al. 好中球：IBDから腸内細菌叢まで。Nat Rev Gastroenterol Hepatol (2023). https://doi.org/10.1038/s41575-023-00871-3
引用文献のダウンロード
受理
2023年11月10日
発行
2023年12月18日
DOI
https://doi.org/10.1038/s41575-023-00871-3
テーマ
炎症
炎症性腸疾患
マイクロバイオーム
Nature Reviews Gastroenterology & Hepatology (Nat Rev Gastroenterol Hepatol) ISSN 1759-5053 (online) ISSN 1759-5045 (print)
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