【シーン分析 Vol.1】 Spain vs France編 〜Spainのゾーン1でのボール保持の工夫〜
こんにちは、nmrinhoです。
今回はUEFA NATIONS LEAGUE のSpain vs Franceからとあるシーンについて分析してきたいと思います。
では早速。
Spainは1-4-3-3
Franceは1-3-4-1-2でこのゲームに挑みました。
机上で見るとピッチの中で噛み合っている状態です。
まずSpainの最初のボール保持の局面(01:13頃)
FranceとしてはSpainのGKがボール出しに参加するのは許容しながらも、より相手ゴールに近いエリアでボールを奪いたい,もしくは自由にプレーをさせたくない意図を感じ取れます。
また,〈❶FranceのCFが大きく開きCBを意識していること❷FranceのST,2VOがSpainのAC,CHを意識していること〉からスペースより人を優先していることも読み取れます。試合をご覧になられた方ならわかると思いますがマンマークの意識が強かったのがこのゲームのFranceです。(Franceのゲームは1試合しか見ていないので標準装備なのかも)
ただFranceとしては問題があります。
アウトサイドレーンの問題です。SpainのWG/SBに対し、FranceはWBの1人しかいません。
噛み合わせ上SBにWBを当てることは可能です。ただ、WBの横にはWGがいます。Spainは意図的にWGをWBが守るべきスペースに配置することで、出たくても出れない状況を作り出しています。(ピン留め?ロック?カッコよくてしっくりくる名称募集)後述しますが左右のサイドで少し違いがありました。
Franceも馬鹿じゃ無いのでアウトサイドレーンを同数にしようと試みます。
CBがスライドしWBが縦ズレできる状態を作ります。後方が+2で数的優位だったものを+1にしボールサイドのCBを押し出すイメージです。なので両サイド同時に行うことは基本的にはありません。
問題解決!これでボール奪取からエンバペ&ベンゼマでショートカウンターや!
と言いたいところですがそうは行きません。
先ほど後述しますと書きましたが、縦ズレできる状態(同数にする)を作る過程で左右で違いがありました。簡単に言うと右は同数にできるけど左はできない!そんな状態です。
なぜできないか?非常に簡単でFranceの左サイドのCBがスライドしづらい状態をSpainが作ったからです。
Franceから見て右サイドはWBがSB、CBがWGを監視できている状況です。では左サイドはどうでしょう。カメラから切れていますがWBはWGに固定されていてSpainのSBがFreeなのがわかります。
SpainのCF オヤルサバルの立ち位置でCBを固定しスライドできない状態にしています。これによりFranceの左サイドのCB/WBが固定されSpainのSBがFreeになったということになります。
また、内側に立ち位置を取るガビのプレーも重要です。画像は10:30頃のシーンですが、この立ち位置によってCFへのパスルートを開通させることとSBに時間・スペースを与える2つの効果があります。
これ以降Franceはゾーン3でのハイブロックをやめミドルブロックに切り替えます。Spainは緊急先としてGKを利用しボール出しを行う場面はありましたがボール保持時の工夫によりFranceのブロックを変えさせたと考えることはできると思います。
ちなみにこの試合は最後まで見れていないのでどちらが勝ったかすら知りません。
Franceの中央3枚のマンツーの意識が割と高めなのでSpainのCHがブロックの外に引き連れて(デート)CForWGへのパスルート開通しても面白いかもしれないですね。
それでは
さようなら
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