【Capacity】 ーある男の手記ー 1日目
色褪せヒビ割れた青いタイルの床で目が覚めた。窓から差し込む強い日差しが私の眼をじりと焼く。ずいぶん長いこと気を失っていたようだ。
状況を整理する。目の前にはバーを彷彿とさせるカウンターがあり、レザークッションに鉄製の脚が付いたハイスツールが均等に並べられている。カウンターの上にはティーカップやプレートが置いてあり、ここはカフェやレストランの類と予想する。立ち上がり、店内を徘徊したが人は居なかった。というより、そもそもここは廃墟の様だ。店の中のあらゆる物は砂にまみれていた