中村好文「住宅読本」|なみなみのモノ#50
お店のモノを紹介する #なみなみのモノ #50 は #なみなみ選書 より「中村好文/住宅読本」です。
住宅建築を中心に活動している建築家である中村好文(なかむらよしふみ)さんは、家具のデザインなどもしており、北海道東川町で行われている、生まれてきた赤ちゃんに椅子を贈る「君の椅子」プロジェクトの椅子のデザインも手がけていました。また、昨年開催の『ミナ ペルホネン/皆川明 つづく』展では、皆川明さんとのコラボで小屋「shell house」を美術館の中に出現させ、来場者も体感できる空間をつくっていました。そんな多岐にわたる活動をされている方ですが、執筆活動もされており、多くの著書があります。
この本は『住宅に住まう側の視点から、つまり、普段着で肩肘張らない日常の暮らしの内側から、「住宅とはなんだろう?」「いい住宅にはどんな要素が必要なんだろう?」ということにあれこれ思いを巡らしてみようという趣向』で、「美しく散乱する台所」や「子供の夢をはぐくむ家」「家具といっしょに暮らす」など、生活する側の視点での住宅が、味わいのある文章で綴られています。写真やイラストも豊富で、住宅や暮らしについて穏やかな心で捉えられるような読後感があります。
購入したのは、まだ建築学科の学生だった2005年、「建築家の流儀 中村好文 仕事の周辺 札幌展」に訪れたときでした。トークショーで来札されていた中村好文さんの柔らかいお人柄が今でも印象に残っています。
家具については、本のなかで「私がデザインしている家具は毎日の暮らしで実際に使うものに限られています。」と記述がありますが、長野県安曇野市にある安曇野ちひろ美術館では、「ちひろ椅子」や、親子が座って絵本を読み聞かせるための椅子「ララバイ」、キッズスペースにある名作椅子を模したミニチュアなど多く家具に実際に座ったり触れたりすることができ、とてもおすすめです。
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