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恥ずかしい料理(著:梶谷いこ / 写真:平野愛)|なみなみのモノ#74

「みんな本当は何食べてるの?」
"決して人には見せることのない日常の食事にこそ、手触りのある物語は宿る。見栄えもしないし、今どきでもない、すべての家庭料理に愛を込めて。飾らない、映えない、盛れない、とてもじゃないけど外に出せない。他の誰でもない、自分や家族のためだけにある料理の数々-"

著者がお宅に上がり込み、根掘り葉掘り料理について聞いていくという本。実家で食べていた<辛そうめん>、共働き夫婦の変身する煮物<こんころ煮>、実家定番のおかずを今は息子と一緒にたべる<肉だんご>、銭湯活動家が夜ごはんとして食べ続けている<納豆たまごオクラ鶏肉混ぜ>、朝食の最適解<きゅうりトースト>などが登場。

何気ない「いつもの料理」を探っていくと、そこにはさまざまなストーリーがあり、そのレシピにたどり着くまでに様々な背景があきらかになっていきます。

漫画「美味しんぼ」にも恥ずかしい料理がでてくる回があり、「人には大きな声で言えないけど実は大好物」という料理をそれぞれが持ち寄り発表するのですが、そのひとつひとつにも、人生や生活の背景が現れるというものでした。

思い返せば、自分がよくつくる料理も、実家でよく出てきた料理だったり、いまの生活習慣に溶け込んだレシピで作っていたりと、SNSでアップできないような料理には特にいろいろな背景があるなと、本書を読んで気づかされました。

この本は昨年オープンした新刊書店Seesaw Booksにて購入。初めてお店に伺った時に、タイトルに惹かれてまず手に取った本でした。


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