クライヴがジョシュアにかけた魔法は『リジュヴァネーション』かもしれない話
最後にクライヴがジョシュアにかけた魔法が『リジュヴァネーション』だったとしたら、ジョシュア生存説に希望が持てるなって話。
アルテマ戦後、戻ったクライヴがジョシュアの胸に手をかざして発動したあの魔法のエフェクトは『足下からふわふわした炎の風』と『火の粉を纏ってひらひら舞う紫色の羽根』というもの。
これ、全く同じものが直前回想にあるクライヴがジョシュアからフェニックスの祝福=リジュヴァネーションを受けてナイトとなる儀式シーンでもしっかり演出されている。 光る左手をかざすのまで同じ。
アビリティの転生の炎やバハムート戦のジョシュアの転生の炎はどちらも幾つか火のエフェクトが太い筋のようぐるぐる元気に周囲を回ってて、穏やかなリジュヴァネーションとは全然違う。 ちなみにオリジン突入後にジョシュアが気絶するクライヴにかけた治癒にもこのエフェクトはない。
なにかすごい回復技だったんだろうなぁと思っててごめんなさい。わざわざ回想シーンまで挟んでくれていたのに何回観ても泣くから今まで全然気づきませんでした。
で、だから?
クライヴがジョシュアにリジュヴァネーションを使ったから何なの? って点について。
まず、ジョシュア死亡説の理由のひとつに「いやいやアルテマが使おうとしたレイズをあの状況と覚悟でクライヴがジョシュアに使いたいと思うだろうか? 大地から奪ったエーテルと同義ですよ? 元々それを阻止しようと頑張ってたんだよ?」っていう問題がありますでしょう。わかるわかります。すごく頷ける。
ただ、使った魔法がリジュヴァネーションであれば話は違ってくる。主にクライヴの心情的なところと結果が。
歴代FFだと蘇生回復バフ技でもあるリジュヴァネーションは今作FF16では『己の力の一部を他人に分け与える』魔法になっている。アルティマニアにもわざわざ写真付きで解説されていますね。
リジュヴァネーションであれば、あれは「クライヴが使ったフェニックスのリジュヴァネーションで、いま持つクライヴの力がジョシュアに分け与えられた」シーンってことになる。
生命魔法でも回復でも転生でもなくて、分与。
クライヴはあの時、血まみれのジョシュアを生き返らせたかったのではなく、離れ離れであっても今までジョシュアがずっとそうしてきてくれていたように、すべての魔法が消える最後の時、懐かしい祝福を授かった過去を思い出して、お返しみたいにただ自らの力をジョシュアに分け与えたかったのかも……と考えるとあの行動が少し噛み砕ける気がします。
そのための、繋がりのリジュヴァネーション。
傷も血もすっかり消え去ったのはクライヴの「もう痛ましくいないでほしい」って願いが反映されたとか? ジョシュアの血が全て本人の身体に戻ったという描写ではないと個人的には解釈しています。その後も床やクライヴの胸元はまだジョシュアの血でびちゃびちゃだから。いま神以上なのでこのひと、ふと望んだだけで色々できそうだしいっそリジュヴァネーション自体も強化されてそうである。
いやクライヴの意図と想いはそうでも、じゃあ一体ジョシュアはどうなったの! もう死んでるのにただの分与ならやっぱり死じゃん! ってなる。わかる。なるけどただじゃないすごいことは起きてる。
少なくとも確定なのが「なにはともあれクライヴがアルテマからごっそり吸い取った力の片鱗と習得したレイズというチート蘇生魔法はクライヴの力に変換されてからジョシュアにも与えられている」という点。
精神体で好き勝手してたヤツすら自力ではムリ……ってなるくらいやべーでけーすげー命てんこもりみたいな術と力がこの世からすっかり消える前に完璧に鮮度よくハッピーセットサイズで届けられている。あの年表で明かされた長い昏睡状態のうちにもおそらく持てる魔法で自分を無意識回復し続けてちゃんと目覚めたジョシュアに。
周りにはエーテルいっぱい。兄と違って使えるものは暗器でも使う系の弟。 リジュヴァネーションを受けると素養がない人ですら常人以上の力が使える……はい。
いや、生きてる。こんなの生きてるわい。
でもクライヴ自身はジョシュアを生き返らせようとしたわけではない(つもりだ)から、あの後、ジョシュアの身体を置き去るし地上に無事帰すことは考えないし巻き添えにしようが理を破壊するし、オリジン崩壊後も浜辺でジョシュアを必死で探すなんてこともしない。
ここもかなりジョシュア死亡説で言われている部分だけれど、これならクライヴのひどく投げやりともとれる行動に納得がいくのでは。
クライヴがジョシュアにリジュヴァネーションを使った。意図せずレイズを使える力の一部もジョシュアに渡った。
すると?
この話でジョシュア生存説に少しでも希望が見出せると個人的に救われるなぁと思う次第です。
あと最後にすごいなって思うこと。
あの瞬間、オリジンの破壊と共にさっぱりすっかり理を灰にしたかに思える。が、もうアルテマの力も全部使い果たしているはずのクライヴは浜辺で、発動はできなくとも魔法の発動未遂くらいにはエーテルを集められている。
ちょうどクライヴにガルーダの力を吸われた後のエンジンかからねえ! みたくふんばって魔法出そうとしてたベネディクタみたいに。エピローグの兄弟にその手見せてみてくださいよ手が光ってる時点でじゅうぶんに魔法だから。これから徐々に普通の人になるひとたちの手にはエーテルが集まらなくなるんだろうな、と思わせてくれるシーンである。
で、魔法は不発のスッカラカンクライヴと違って、ものすっっっごい質と量のお裾分けをされたジョシュア……魔法が消えゆこうが成層圏から海に落ちようが……大丈夫じゃない? じゃなきゃ力の一部だろうが人ひとりも自動でまず生き返らせてバフで守れないレイズくそざぁこ魔法すぎない? 腐っても完全生命魔法だろがんばれ!
レイズが隠し味のリジュヴァネーション受けたってあの後すぐ秒で魔法は消えちゃったんだから間に合わないよ崩落で死ぬわ! 人間をなんだと思ってる! っていうのもなんとな〜く、ギリ大丈夫だったかもしれないよ猶予あるから~空から王子様が~ってなったかもよ~これから体内パワー消費であの五年間みたいに回復頑張るのかもね~ってカバーがなされているアフターフォローの手厚さも令和ですね。すごい。身体の回収は頼むぞ不死鳥教団。
クライヴの頑丈さは本当に何。
でもでも、二人の兄弟が月を見ながら砂になって、全ての重荷を大海原に流して次の世にいくのも美しくて大好きです。業深い。
可能性をありがとうFF16。
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