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田圃にて

黄金の稲が光を跳ね返す
涼しげな風が稲を攫って
さわさわと優しい音を立てる
赦されるならば
この田圃の真ん中に斃れ
犬に首元を噛まれるのを待ちたい
それからさわさわと
腕のあたりを撫でる稲の
あたたかな感触を愛しながら
遠い天に祈るのだ
「神さまがおわしますならば
亡霊を切り離して
わたくしの罪を浄化して」

黄金の稲が光を跳ね返す
涼しげな風が稲を攫って
さわさわと優しい音を立てる
その側で斃れもしない 祈りもしない
惨めに青ざめた顔がある
顔がある

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