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杉本 英則/杉本 農園

法人名/農園名:杉本農園
農園所在地:東京都町田市
就農年数:6年
生産品目:ブロッコリー、ラディッシュ、カボチャ、オクラ、芽キャベツ、ワサビ菜、ナス、キュウリ、ズッキーニなど年間20種類
HP:作成中

no153


さまざまな職種を経験した末に見つけた農業の魅力とは?

■プロフィール

 中央大学総合政策部国際政策文化学科を卒業後、明確な進路目標がないまま、システムエンジニア(SE)として5年働く。

 その後、知人から誘われてクリーニング業、不動産の権利関係を扱う仕事などを経験するうちに、行政書士の資格も取得したが、自分でゼロからモノを作って販売まで行うことができる農業に魅力を感じ、その道に進むことを決意する。

 生まれ育った町田市に掛け合ったが、40代を目前にしていたこともあって「農業は甘くない」と理解を得られなかった。

 次に相談した東京都農業会議の松澤龍人事務局長には、その日のうちに研修先を紹介され、立川市の農家で2015〜2016年にかけて農業研修を受ける。

 1年半に及ぶ研修期間中に市街化調整区域を買い取り、500㎡の土地で新規就農を果たす。その後も少しずつ農地を借り受け、現在は80アールまで規模を拡大。2018年からは学校給食に使われる野菜の取引を始めている。

■農業を職業にした理由

 大学卒業後、さまざまな仕事を経験するうち、指示されたことや依頼をこなすだけの受け身の仕事に違和感を抱くようになった。自営業の父が自分で判断して商売する姿を見て育ったこともあり、種まきから販売まで自分で行う農業への魅力を感じていたことから、40歳を手前に転職を決意。

 家族や町田市から「農業で稼ぐのは簡単じゃない」として、考え直すよう諭されるなか、新規就農者を支援している東京都農業会議に相談を持ちかけ、その日のうちに立川市の個人農家を紹介される。

 住宅地に囲まれた畑で耕作する現場を目の当たりにして圧倒されたことから研修生として働くことを決意。研修を重ねるうちに、都市型農業の生産者のなかには、農作物販売ではなく不動産収入で生計を立てている人が多い実態を知って、農業一本で生計を立てて行くためにはどのようにすればよいのかということを考えるようになったという。

 地主から市街化調整区域の原野を買い取って開墾し、2016年に独立。わからないことにぶつかるたび、周囲のベテラン農家に相談して交流を深めながらアドバイスを受けている。

■農業の魅力とは

 就農当初は研修先で学んだタマネギやブロッコリー、カブなどといったスタンダードな野菜をメインに作っていました。

 でも最初のうちは、本で学んだ知識では全然間に合わず、病害虫防除のタイミングがわからなくて、対策をとっても手遅れのことが多く、B品ばかり作っていました。

 そこで、何かわからないことがあれば、近隣で営農している70代とか80代の先輩農家に教えを乞うようにした結果、農業を通じて、多くの人達とつながることができました。

 就農して6年が経った今では、メインの他に、白ナスや長細い形のヘビナス、ステーキ専用の黒いナスなど、珍しい種類にも挑戦するようになり、栽培の楽しさを感じております。

 自分が育てた作物を通じて、私らしさや個性を表現し、ここでしか手に入らない唯一の「色」を打ち出せるのが農業の魅力だと思っています。

■今後の展望

 500㎡から始めた畑が、少しずつ拡大して、2022年には80アールまで広がりました。非農家出身の私が、地元の生産者の間で認めてもらうまでは時間がかかりましたが、直売所に出した作物の出来具合などを見てもらううちに、少しずつ認められるようになりました。

 2022年現在は、週に1、2回援農ボランティアに手伝っていただく以外は、基本的に自分1人で生産・販売を行なっています。

 でも、生産規模の拡大に伴って、今後、安定して農業を継続させていくうえでも、1人でやり続けるのは限界があります。そこで「農の雇用事業制度」などを活用しながら研修生を育てることで、売上アップにつなげたいと考えています。

 6年続けてきたことで、毎日、農業の素晴らしさを実感していますが、一方で、継続することの難しさや、離農者が相次ぐ理由も理解できます。

 今後は法人化を見据えて、永続できる組織作りを目指しながら、農福連携や農業体験などを通じて、町田市に農業を根付かせるために役に立っていきたいです。 

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