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ダーマー(NETFLIX)を声優の視点での感想

「ミルウォーキーの食人鬼」と名高い連続殺人鬼、ジェフリー・ダーマーを題材とした作品なんですが…

なんでこれを見ようとしたのかというと、YouTubeのシリアルキラーの解説動画がありまして、それがきっかけです。

そういう趣味かというとそうではなくて、役者として純粋に連続殺人犯(フィクションじゃない)って一体どういう心理でいるのだろうと興味を持ったからです。つまり、芝居の肥やしになればいいなと思っただけなんですけど(笑)


大事件ゆっくり解説
@incident_of_yukkuri_Commentary

こちらで様々な動画を拝見しまして、動機とか傾向とか趣味趣向とか、色々勉強になりました。といっても、基本的に作業の裏で聞いていたのであんまり映像はずーっと見てないのですが、多分ずっと見る方は結構危なめの写真(モザイクかけてある)などがあるので、苦手な人は見ない方がいいです(笑)

ここでどのようなことがあったかの解説を前後編で聞いた後だったので、ネットフリックスの方は「あー、この人はこの時の人なんだな」とかあたりを付けつつ見れました。

やっと作品の話に入りますが…
この作品はジェフリー・ダーマーがどのように育ち、そしてどのように犯罪に手を染めていったのかが描かれている作品です。
色んなシーンが行ったり来たりしながら進行していきます。

あんまり本編に触れるとみてない方の楽しみを奪ってしまうので、吹き替え版の主人公の方の話をしたいのですが…
ジェフリー・ダーマーってゆっくり解説見てても、ネットフリックス作品見てても、感覚が人と違うんです。何がどうってうまく言えないんですけど、多くの人がこう思うだろうなの8割がた当てはまらないっていうか…。でも感情はあるんです。
これが表現するのがすごく難しい。この、ちょっと異質な感じを出すのって普通の人を演じるよりも何倍も難しいんです。
会話しているようで、どこかつかみどころがない。通じているようで通じてなさそうっていうか…。
感覚としては、「あ、この人今話の内容わかってないけどうなづいてるんだろうな…」みたいなあの違和感に近いのかもしれない。

あとは、そんなに仲良くない人と話してて、話のかみ合わなさだったり、話題が見つからなくて変な間が空いたりとか、そういうのが常っていう感じなのかな。

台本もらった段階で、読み解くのがめちゃくちゃ大変です。
普段の感覚ではない感覚を見つけてこないといけないわけですから。
この作品の主人公はすごく難しい部類に入ると思います。
それを絶妙につかみどころなく演じていて、なおかつところところで狂気を感じさせる…。役者さんの力量だと思います。

ジェフが隣人のグレンダのところにやってきて、
「サンドイッチ食え」のシーンは本当に怖いです(笑)
早くその人追い返してー!!(; ・`д・´)って思うくらい…
こんな人隣に住んでてほしくない( ;∀;)

その後グレンダがジェフに「出て行って」っていうところも、
何されるかわからない恐怖感と、早く出て行ってほしいっていう焦りと…
でも相手を刺激すると何されるかわからないっていう絶妙な返しをしています。

全話見て思ったのは、うーん…やっぱりこの人はサイコパスだなぁっという部分と、趣味趣向、興奮する部分どれをとっても一人の人間として何も共感できるところは正直ありませんでした。
手口を見てもそんなに計画を立てて実行したわけではなく、結構雑なことをかなりやってるし、肉が腐った臭いって…そんな言い訳でなんとかなるものなのか…?と疑問に思う部分も。冷蔵庫でうっかりお肉腐らせてしまった時の臭いなのかな…(実際人間の頭部とか入ってるんですけどね…)

彼がこれだけの人数を手にかけられたのは、人種差別がひどい時代だったというのがかなり大きく、黒人やアジア人がいくら訴えても白人ばかりが優遇されていた時代であることが要因でした。途中で出てくる未成年への性的暴行の裁判の時の判事の被害者遺族(ヒスパニック系)への対応と、ジェフへの対応との差をみて愕然としますね。こんなあからさまなんだと…

被害者となった人は黒人やアジア人ばかりではないですけど、17人の青年が彼の被害者となりました。男性同士でも、こんな風に事件に巻き込まれるということがあるんだと、改めて気を付けないといけないなと思いました。
日本ではなさそうな感じもしますけど、LGBTに寛容になろうな風潮があるので、逆にありえるんでしょうか…。
いずれにせよ、人と人との関係性が希薄になりがちな世の中で、名作劇場のように人間性を築いていくことは大事だと思う一方、怪しげな隣人、人間には用心だなぁと思う今日この頃でした。






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