佐藤輝、何でなん

阪神がオープン戦で初めて勝った13日のロッテ戦、9回2死満塁で打席はそれまでノーヒットの佐藤輝、岡田監督が試合後明かしたところでは「代えようかと思った」そうだが打たしたら結果、益田のシンカーを中前にヒット、2点を追加した。「甘い球だったのでしっかり打てて良かったです」と佐藤。

 この日、3月13日は25歳の誕生日、スタンドファンのバースデーソングは「嬉しかった」と喜んだ。

 この頃は言わなくなったが以前、のんきな人はノー天気と揶揄された。今の佐藤はそういう状態。評論家の田尾安志氏が同日付のスポーツ新聞で余すところなく分析していた。

 いうところは「キャンプでいい形でスイングしていたので今年は楽しみにしていたが、3月に入ると急激に打てなくなった。好不調の波が大きすぎる。技術的には背中の丸まり方が大きくなっている。グリップがトップの位置になった時の緩みも気になる。もう1点、大事なのはやはり軸足。軸足を大事にして後ろで投球を見れば、正確なストライクゾーンになるが、軸足が浮くようなスイングになってしまうと、体が前に泳いでストライクゾーンが広く見えてしまう。結果、フォークなどボール気味の球にも手が出てしまうのだ」。

 佐藤の悪いのは岡田監督にも分かっていて代打を送ろうと考えたのはそのためだ。もっとも出来ていた事が出来なくなるのは今回が初めてではない。近大の時は知らないが阪神に入ってからはその繰り返しだ。

 13日現在のオープン戦の打率は1割4分3厘。阪神でトップは近本の3割5分7厘だ。13日のロッテ戦でも3打数2安打。2打席目の3回、左腕メルセデスの内角寄りの直球を右中間に3塁打。7回の4打席目は2死3塁で右前に適時打。「やりたい事をやって打てて良かった。インコースだからあそこまで飛んだと思っています」。

 こうも言った。「やりたい事をしっかりやり抜けているのはある程度数字があるからだと思っている。数字が残っていなかったらどうしても打たないといけないというふうになってしまう」。

 万遍だらりんで野球をしていて、道をまたいだらとは言わないが何かの拍子にころっと忘れてしまう佐藤と違うところだ。同じベンチにいて見様見真似といかないのかな。今日15日から岡田監督がサインも出して戦っていくと宣言している中日とのオープン戦。前日の14日はミーティングで気合を入れると言っていたが、緊張したからといって忘れていた事を思い出す事はない。

 バットを立てたり寝かしたり試行錯誤している3番の方がましだ。岡田監督開幕試合に合わしてくれれば、のんきな虎番の問いに「いや分からへんで、そら開幕はお前、そら分からへんで」と返事した。

 いずれにしても25にもなってハッピーバースデーに喜んでいるようでは力が抜ける。

令和6年3月15日

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