チラシ配りは1日で上達する

配る系の単発バイトを数回経験しただけでプロでも何でもないのだが、その時学んだコツのようなものを綴っていきたい。かなり実践的であることは保証する。ちなみに配るものはポケットティッシュに置き換えても良いだろう。

ポイントはたったの2つである。それは、

①相手の目の前に踏み出す

②相手の目を見て渡す


①で相手の動線に入り込み、逃げられにくくする。そして②で否応無く相手の意識に自分の存在を映すのである。

身体的(①)にも心理的(②)にも相手はこちらのやることに左右されやすくなる。単純に断りづらくなるというのもあるだろう。自分だけがターゲットにされている状況で、それを無碍にするのはやや抵抗があるものである。

その性質ゆえに、他にターゲットとなる人が多く存在する混雑した場所や時間帯では、この手法は少し工夫する必要があるだろう。例えば、人混みを避けて少し人通りがまばらになった場所を選ぶと、相手の「ターゲットにされてる感」を強めることができるだろう。

ほぼ毎朝、駅で何かしら配っている人達を見るのだが、彼らはあまり自分の立つ場所を変えず、しかも「誰か受け取ってくれないかなー」というような受け身の態度で取り組んでいるように感じる。これでは上記の「ターゲットにされてる感」が少ない。だから断りやすい。

向こうももしかしたら「お前が貰わなくても他の人が貰ってくれるから別に良いし」というメンタルなのかもしれない。だがこのメンタル、チラシ配りにおいては非常に重要かつ必須の要素である。相手に断られる度に意気消沈していたら、精神がもたない。チラシ配りというのは、誰も読まないクソみたいな紙切れを上手く相手に渡すシューティングゲームであるのだから、外して悔しいとは思っても、悲しむ必要などないのである。

それに、自分だって相手の差し出すチラシやポケットティッシュを貰わなかったことがあるではないか。その時の相手のことを貴方は覚えているだろうか?


以上に述べたことは、自分がとある家電量販店でのチラシ配りで学んだことである(ピ●チュウ柄の黄色いエプロンを着て、しかもアホみたいなピ●チュウのお面を頭に乗せなければならなかったのだが、どう見てもおかしいのでピ●チュウお面は勝手に外した)。

そこでは他にもう1名、同じようにチラシ配りを任された人がいた。スラッとした美人で親しみやすい方であったため、前半戦はあちらの方が高確率で捌けていた。「ああ、やはり人は見た感じで判断するのだな」と。これが非常に悔しくて、自分の心に火がついたのだろう。何か突破口があるはずだ、そう考えて色々試した。こうなるともはや渡す相手は実験対象でしかなくなる。一番受け取ってもらえる確率の高い手法を編み出すことに夢中になった結果、上で述べた非常にシンプルな2つのポイントに気付いたのである。

あの手法が確立してからは驚くほど客がチラシを受け取るようになった。相方兼ライバルと情報を共有し、どちらも効率的にチラシを配って無事ノルマ達成、気持ち良く帰宅。売り場担当者も「あっ、全部配りきれたんだ...」といった感じだったので、成果は充分であったと言えよう。


よくある記事タイトルに物申したいこと

こういうハウツー系の記事のタイトルに「○○が出来るようになるたった一つの方法」というようなものをよく見かける。それを目撃するたびにこう思うのだ。

「どうしてそれがたった一つの方法であると言えるのか?」と。

アフィリエイトやYouTuberの多くが、人々の目を引きたくてこういった書き方をするのだろう。だがこの手の謳い文句は既にありふれており、最早インパクトも大きいとは言えない。陳腐である。そして何より、他者の思考を止めてしまう恐れがある。何に対しても疑問を持つようにしている人や想像力に自信のある人であれば、このワードに惑わされることはないだろう。だが、そうでない人々の方が世の中には多いようなので、思考の幅を狭めるようなキャッチフレーズの使用は控えた方が良いと私は考えている。チラシ配りとは関係のないことをずらずらと書いてしまったが、それが日頃から気になっていたことの一つである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?