「岸田ビジョン」の野望

ようやく読み終えた「岸田ビジョン」。

内容の要約、あるいは、読書感想文というかをまとめました。

「岸田ビジョン」の野望

経済政策では分断から協調へ社会の転換、田園都市構想の復活、宏池会の復権、広島県民としての核兵器縮小が岸田ビジョンでの野望であると感じました。それぞれの内容とそれに対する感想を次に書きます。

分断から協調へ

これはよく言われる新自由主義から新しい資本主義へということで、所得分布をみると、上位層はさらにお金持ちに、中間層は取り残されてしまっているという現実があります。が、日本だと上位層がそれほどお金持ちになっておらず、米英ほど極端な格差は拡大していません。なので、上位層がもっと出てくるというのも必要な政策だと思います。
また、中間層の充実って、本当に日本人は求めているのでしょうか。というのも、分厚い中間層が実現できた80年代には、むしろ、中間層から落ちてフリーターになるほうが豊かなのだという表現もあったし、私が育った90年代には、当時のわが春を謳歌していた日本社会に豊かさ求めるなんてやめろみたいな本沢山読みましたよ。この中間層がどういうひとを想定しているのかがいまいち想像できませんでした。

田園都市構想の復活

これは都市集中から地方へということです。ただ、単なる地方ではなく、都市の機能と田園の機能を兼ね備えた、経済的な豊かさとそれ以外の豊かさが混ざった場所をいっており、宏池会総裁の大平元首相の提唱した政策を現在にアップデートしたものとなっています。これについても、具体的にどういう都市かがまったく想像できませんでした。理想としては、アメリカのように、東海岸があり、五大湖周辺の都市があり、西海岸にはLAだったりサンフランシスコだったりシアトルだったり、それぞれに大企業がありみたいな感じなのでしょうか?日本だとアメリカ比だと国土が狭いので、すみ分けも難しい。

宏池会の復権

長らく政権の中枢から外れていた宏池会。この頭領として、政権を維持していくという想いがひしひしと伝わります。宏池会といっても、代が変わると政策ががらっと変わる印象ですが、ちとこの領域は勉強不足なので、あまりコメントもできないのが力不足ですね。

広島県民としての核兵器縮小

外務大臣の経験もあるし、アメリカでの幼少期の経験等国際経験もあり、広島で投下された原爆の非人道性については、発信していく必要は当然あるし、この点は特に文句もないですね。

その他読書したあとのもろもろ

巷では岸田総理はいい人といわれている通り、嫌いにはなれないなぁと思まいました。ただ、それはそれで、この国難の状況ですから、長く政権を続けるためにやってはいけないことには厳しく指摘はしていかないといけませんね。

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