台湾総統戦2024結果分析
日本にも影響のある台湾総統戦と国会議員のあたり立法委員選挙。前者は、現政権の民進党が勝利し、後者は民進党が議席を減らし、第1党が国民党になるという結果に。
総統選の結果を地域別に見てみる
都市別の得票率の票を眺めてると、直轄市=人口が一定規模以上の都市はすべて民進党が得票数最多、ということで、多数決を取ると、現政権の考え方を支持するということなのでしょう。また、他の都市を見ると、概ね北部と東部は国民党、南部は民進党という色分け通りになっていることが分かります。
立法委員の選挙結果を見てみる
国会議員に当たる立法委員の選挙結果を見てみると、この前にやった地方選に近い結果になってます。民進党の現実の政策能力に疑問を持っている人も多く、すでに8年間も政権を任せているのでそろそろ政権交代をやるべきというのも、これまた民意なのでしょうね。台湾人と総統選のことを話すと、そろそろ政権交代かなという人も多く、政権交代を求める理由には前回の民進党政権時代の権力の腐敗が記憶に残っている人も多く、どの政党であれ、長期的に権力を持たせたくないというのが染み付いている感じがしますね。
ねじれの誕生
総統選は民進党、第1党は国民党という結果になったのですが、国民党52と民進党51と議席差が1、議席数が113のうち、どちらも過半数を取れておらず、民衆党の8という議席数が今後のキャスティングボードを担うことになります、通常は。通常は、というのは、民衆党自体、党是がどちらの考えも取らないという形になるので、ハナからねじれの状況をうまく活用しようという感じもしないので、混乱が生じることとなるのか。
ただ、やはり、権力は長期的には腐敗するという台湾人の感覚が反映している国政になっているので、ここら辺のバランス感覚が見事に現れた選挙結果になっています。
今後の展望
新たに誕生する賴政権は蔡英文現政権の路線を引き継ぐことが確実になりますが、台湾の総意としては、台湾の今の立ち位置を維持するために、なるべくアメリカ側に立ち、中国とは距離を置き、日本とは関係を深めるという外交的な立場は継続するので、これからも日本人や日系企業はビジネスをやりやすい環境にあると思います。業界的には、半導体と再エネに関連して、化学品とか電気設備関係ですかね?台湾では作れない、高価なものというのが多数あるので。
にしても、他国の選挙だと俯瞰して民意が見えて面白いのですが、自分が投票した2020年東京都知事選挙とか、民意は何だったのかが全く見えなかったというのも新たな発見でした。選挙は面白いですね。
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