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決してヒルズ族の兄貴分ではない起業家

本書の概要

壮大な事業に挑んだ宇野元忠、康秀父子の生き方を軸に、若き日の孫正義、三木谷浩史、藤田晋、村上世彰ら、錚々たるベンチャー創業者たちの興亡の歴史を鮮やかに描きます。

上記のリンク先より転記

本書を読む前の宇野氏といえば

ライブドアでホリエモンを経営幹部が逮捕されたあと、火中の栗を拾いに行った人としか記憶しておらず。そして、2000年代の初めからライブドアショックまでの間といえば、アメリカのITバブルに引っ張られるように、日本でも新興企業が次々と世間を賑わせ、派手で破天荒で常識を壊す方がかっこいいと思えた時代。実はその後生き残った起業家を見ると、昭和の経営者たちの焼き直しも多かったわけだが、彼らの中でもスーツの着こなしがまとも、人の話をよく聞きそうな感じの人ということで、好印象だった。が、本書を読むと、かなりの挑戦と成功とそれ以上の失敗をしていることもよく分かる。

本書を読んで知ったこと

宇野氏が成し遂げたことを列挙していくと、なかなかすごい。

  1. 全国に張り巡らされた有線放送の合法化。その後、先代の残した債務を全て返済し、大阪有線を上場企業へ。

  2. 動画サイトGYAOはUSENが立ち上げたサービスだった。

  3. インテリジェンス(パーソル)の創業も宇野氏。

  4. 有線のネットワークを活かした、インターネット3000億円計画にも絡んでいた。

  5. リーマンショック後に一旦、USENを追い出されたものの、動画配信サービスU-NEXTで復活し、U-NEXTがU-SENを吸収する形で再び表舞台へ。

先代の話も面白い。NTTの通信設備に勝手に自社の有線放送のケーブルを引いてしまい、郵政省からの行政指導があっても開き直って全従業員で妨害するという今だったら大炎上ものが許された時代。日本経済が高度経済成長を迎え、少し豊かに過ごしたい時や個人商店が気の利いた音楽をかけたい時にちょうどよかった有線放送。

次は何をやるのかも気になる

人材派遣のインテリジェンスが90年創業。GYAOもYOUTUBEの直前に開始と時代の一歩先をいっている宇野氏。U-NEXTで何をやるのかが気になりますね。まだ引退するような年でもないだろうし。


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