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となりのキャリアが青く見えるのは、その芝生が手入れされまくっているから〜#名著の話#伊集院光

きれいに、まとまっていますよね。

名著の話」和田忠彦×伊集院光 『ピノッキオの冒険』和田忠彦

きれいになって、フリもオチもちゃんと整理整頓されている。
(中略)
上手にディレクションしたことで、いったい何が切り落とされていったんだろう、ということをすごく考えます。

「名著の話」和田忠彦×伊集院光『ピノッキオの冒険』伊集院光


ロールモデルとか、成功していると言われている人とか。
そういう人の話を見聞きしたとき、
素直にすごいな、憧れるな、と思えるときばかりではありません。

となりの芝生、いや、キャリアが眩しくて、
眩しすぎて、
どうして自分はそうなれないのか、と思うことも
ニンゲンだもの、おおいにあります。

人に相談しずらい。。。
「人と比べるのは意味ないよ」と励ましてくれるでしょう。
そんなのわかっているのです。でも眩しいのです。
こういうときは本に心を預けます。

知っているストーリーと、原作はちがう

「名著の話 芭蕉も僕も盛っている」(伊集院光著) は、
NHK Eテレの「100分de名著」というテレビ番組をもとにした本です。
番組の中で出会った名著の中から3つ取り上げ、
その先生方と対談する、というもの。

冒頭の引用。
言わずとしれた「ピノキオ」の物語と、
その原作の「ピノッキオの冒険」との比較の対話の一部です。

「ピノキオ」は心優しいおじいさんが作った木の人形が、
最後には、女神様によって願いが叶えられ人間になる、
というストーリー。

一方、原作「ピノッキオ」では、
恨みとか憤りとかいろいろな苦労を抱えたおじいさんが、
どうにか貧しく暮らしている。
コオロギが這うような部屋で木の人形と話しているようです。
人間になるまでも紆余曲折あって・・ということを、知りませんでした。

いい子になるように導いてくれる小さいコオロギが
あの名曲を歌って指南してくれる、みたいな知っているものとは、
けっこう違うようです。


となりのキャリアが青く見えるのは

知っているストーリーは、原作とは違いました。
原作から、「においとかホコリ」とかが消されているようなんです。

落語が描く江戸って、理屈の世の中じゃあない。
現代に比べると、全然、デオドラント(脱臭)も整理整頓もされていない。

「名著の話」伊集院光

人の目に触れる「成功している人のキャリア」も、
起承転結とオチがついているものなのかもしれないな、と思います。
知っているストーリーと原作は違うように、
その人のキャリアには、削ぎ落とされたにおいとかホコリとか、
もっといろいろあるはずです。

人のキャリアが青く見える、
それは、青く見えるように手入れをしっかりして、
伝わりやすくなっているから。
聞いて見えているものが全てじゃないんだと思えたら、
落ち込んだりする必要もないんじゃないかなと思います。


『芭蕉も僕も盛っている』という副題。
これは、となりのキャリアが青く見えるときに
「そうだよね、盛っているよね」「整理整頓されているものだよね」と
少し楽な気持ちにさせてくれそうです。


おまけ:キャリアのゴールは最初から決まっていなくてもいい

「ピノキオ」では最初から人間になりたい、と目標がはっきりしています。
驚いたのは、
原作「ピノッキオ」は、最初から人間になろうという話ではないのだそう。

最初から当然のことのように〇〇がゴール、と決まっていなくても、
途中で目標が定まることもある。
それもキャリア。

#名著の話
#伊集院光
#ピノッキオの冒険




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