教員免許について

教員免許のあれこれ

教員採用試験に出願する際に教員免許の種類を記入する欄があるのですが、実は自分の免許がどれに当たるのか調べるまでわかっていませんでした。

実は結構大事になってくる教員免許のことですので、今日は教員免許の取り方や、その種類について知っている限りまとめていきたいと思います。

すでに教職課程を取られている方、あるいはこれから取ろうという方は是非一読してみてください。

ただしここでは中学・高校の普通免許状にのみ限らせていただきますので、小学校や特別支援学校など教員免許は他のサイトなどを参考にしてみてください。
https://utanomushi.jimdo.com
https://koumu.in/articles/944
(一例ですがこちらのサイトが非常に参考になりました。)

教員免許の種類

一般の中学・高校で勤務するためには普通免許状が必要となります。
そして普通免許状には大別して以下の3つの種類があります。

・専修免許状
・第一種免許状
・第二種免許状

なんだか自動車の免許みたいですね。笑
それぞれの免許では就ける役職や働ける学校が異なります。

専修免許状
大学院修士課程を修了しなければ取れない、最も学位が必要な免許になります。
学校長など管理職になるために必要となるため、学校運営が目標の方には必要となる免許です。

第一種免許状
四年制大学卒業で取得できる免許状で、現職の教員で最も取得者が多い免許状です。大学で教職課程を経て取得できる免許はこの免許になります。

第二種免許状
短大で取得できる教員免許です。
第一種免許状と採用などにおいて差はないようですが、「努力規定」というものがあるらしく追加で単位を取得し第一種免許状を取得することを勧められることもあるようです。

また高校には第二種免許がないため、高校の教員になるためには第一種免許状あるいは専修免許状が必要となります。

教員免許を取るには

基本的には大学へ行き、教員免許に必要な単位を履修することで免許状を取得することができます。
また就職してからでも通信制を利用して免許を取得することも可能です。
ですので社会人になってから教員に転職するというのは可能ですし、実際にそのような方は少なくありません。

取得する免許ごとに必要な単位が異なってくるため、必ず最初に自分が取得する免許状に必要な授業を確認しておいてください。

単位にはそれぞれ必修科目と選択科目があり、平たく言えば教職全般に関わる教職科目と各科目で必要な専門科目に分かれます。

必修科目(教職科目)
教育の歴史や人の発達段階における教育の在り方や、人権教育、環境教育などについてなど教職に就くに当たって必要な共通の単位になります。
つまり科目に関わらず教員免許を取りたい人全員が履修する科目です。

これに加え、体育や日本国憲法、外国語コミュニケーション、情報機器の操作が文部科学省によって定められています。

体育は演習と座学の2つに分かれており、両方履修する必要があります。
特に演習は受講者を抽選しているところも多いため出来るだけ早いうちに履修されることをお勧めします。
私は先延ばしにして4回生で履修したため結構しんどかったです。笑

情報機器の操作とは大学によってこれに代わる科目がそれぞれ設定されており、私の大学ではコンピューター演習がこれに当たりました。

現在では外国語コミュニケーションと情報機器の操作は学部自体の必修科目になっているところも少なくないと思いますので、学部の単位をそのまま流用できます。

そして最後に科目教育法があります。
教育法の授業は実際に模擬授業を行ったり、実際の現場で行われる指導方法を学んだり、指導案の書き方を学んだりします。この科目が一番教職してる感があると思います。笑

選択科目(専門科目)
必修の教職科目と違い、選択科目は自分が取りたい免許の科目や学校種によって異なります。その科目に必要な知識を学ぶための授業であり、その分野を専攻している学生が履修するため教職課程以外の学生ももちろんいます。

例えば私の場合は英語の免許が必要であったため文法の授業や発音に関する授業、英米文学に関する授業もありました。
そしてこれらの授業には英語の教員免許を取りたい人の他に、大学で文学や英語に関する分野を専攻している学生も一緒に受けることになります。

気をつけなければならないのが、中学と高校、あるいは同じ教科でも科目の種類によって必要な単位が異なるということです。

英語や数学は必要な単位数の違い程度ですが、ややこしいのが理科や社会です。
特に社会ですが、中学では中学社会の免許が必要で、高校になれば「社会科」が「地理・歴史科」と「公民科」に別れるため、それぞれ別の免許が必要になります。

私の場合ですと中学の社会の免許は持っていないため、「高校の地歴」の先生にはなれても「中学の社会」の先生にはなれません。

ですのでしっかりと自分がなりたい科目と学校種に必要な免許を把握しておかなければ、最悪やりたい科目が教えられない可能性も出てきます。
事前の下調べはめんどくさいですが必ずしておくようにしてください。

教育実習や介護等体験など
さらに3回生以上から介護等体験や教育実習などに行く必要も出てきます。
これらも教員免許には必須事項であり、行かなければ取得できません。

介護等体験とは特別支援学校介護福祉施設での体験実習のことで、合わせて7日間の実習が必要になります。(私の場合は特別支援学校2日間と介護施設5日間でした)

実習内容は本当に施設により異なっており、一概には言えません。
私の場合は職員の方のお仕事の一部を一緒に手伝わせていただくというものでしたが、場所によっては裏方の仕事をひたすらするというところもあったようです。

そして4回生では集大成とも言える教育実習があります。基本的には卒業校へ依頼し、中学免許は3週間、高校免許は2週間の実習が必要となります。

ただし高校の免許でも3週間をお勧めします。
理由としては、後から中学免許を仮に取りたくなった際に単位を流用できることと、正直2週間では実習として足りないと感じるからです。

多くの場合は最初の1週間は授業見学などをさせてもらい、2週目から実際に授業を担当させていただくという形になります。そして最後に「研究授業」という色々な先生に評価してもらう授業があるのですが、正直1週間だけでは満足な授業はできません。

なので後学のためにも、少し負担にはなりますが3週間行くべきだと私は感じています。というか卒業後はこれが毎日続くわけですから3週間ぐらい慣れておかないとしんどいです。笑

そしてこれらの単位を履修して初めて教員免許状を取得することができます。
学校で申請する場合は1月ごろに全ての手続きを終えて、卒業式の日に授与されるケースが多いのではないでしょうか。

私は一般とは違うケースで取得しているため、これには当てはまりませんでしたが……笑

まとめ

以上のように教員免許といっても色々あるため自分が取りたい免許状がその大学、学部で取れるかどうかはあらかじめ確認しておかなければなりません。

そして何より思うのが生半可な気持ちで教職課程は取らない方がいいということです。

教職の単位はそのほとんどが卒業単位(学部がしてする単位)とは別で履修しなければならないため、かなりしんどいです。
他の学生より週4~5コマ程度多く授業を受けることになりますし、テストやレポートの数もその分増えます。

多くの学生が途中でリタイアしていくのを見ましたが、正直リタイアするのであれば時間の無駄でしかないため、その時間を使って別の勉強や経験を積んだ方がいいと思います。

子育ての時に役立ちそうだからと履修していた人もいましたが、やめておいた方がいいです。どうせ覚えていないからです。それだけの気持ちがあるのであれば、子どもを授かってからしっかり勉強なさった方が実用的だと思います。

また教員免許を就職の保険でとっておくという方もいましたが、コスパが非常に悪いため、保険をかけるのであればしっかり勉強してスキルを身につけたり就活に取り組まれたお方が堅実に思います。

教採に落ちてギリギリで非常勤に受かった私では説得力に欠けるかもしれませんが。笑

それでも教職課程を取られるという方はしっかり履修を組んで頑張っていただけたらと思います。
むしろ優秀な人材ほど教育に関わってほしいと思っています。(そのためにももっと労働環境が良くならないといけませんがね……笑)

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