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海外でビジネスをするには・・・⑦契約書って重要です!

おはようございます。

1月から、自分の経験や体験を通じて感じた「日本の会社は、こうやれば、もう少し海外ビジネスをうまくできる」を書き始めました。
前回は、私が作成した経営計画書サンプルを掲載しました。
今日は、「契約書のどこをチェックすれば良いか?」について書いていきたいと思います。

リスクと不確実性の違い?

ところで、リスクと不確実性は違うって知ってましたか?

リスクは、起こりうる結果や確率がわかっているので推定できます。リスクは特別恐ろしいわけではありません、それはマネジメントできるからです。
<略>
不確実性は、管理不可能なので恐ろしいのです。予測できない事象や影響を、測ることはできないから。

https://www.lifehacker.jp/article/risk-uncertainty-difference/

リスクは制御可能だけど不確実性は制御不能、と大きく違います。

契約書は、将来起こり得る事象を不確実性からリスクに変換する作業、と私は理解しています。契約書で、将来もめそうなことを抽出して、予め、その解決方法や解決プロセスを決めておくのです。そうすることで、

  • 将来モメた時よりもモメていない今の方が冷静なので、契約当事者間で、より建設的な議論ができます

  • 不公平・不平等な条件を押し付けようとする相手なのかを見極めることができ、必要ならば撤退することもできます

  • 将来の起こり得る事象に対して準備ができ、「備えあれば憂いなし」の状態になります

当然ながら、契約書が将来の全ての紛争を未然に防いでくれる訳ではありません。契約書作成時には思いもよらなかったことが発生して、モメることもしばしばです。
ただ、契約書作成時に十分に双方で議論しなかった場合、状況は更に悪化してしまいます。
つまり、契約書は将来の紛争をゼロにはできないが、少なくしてくれる、そういうものだと思います。

何をチェックすべき?

契約書が重要なことは分かるけど、契約書を全てくまなくチェックするのは非常にキツイです。
なので、私はチェックすべきポイントを絞っていました。
因みに、私なりのチェックポイントは、以下の方向性で抽出していました;

  • 不確実性を減らす(例:責任上限)

  • 不平等をなくす(例:契約解除権)

  • 同じ大失敗をなくす(例:支払条件)

そして、抽出した各ポイントについて、弁護士に法的解釈を確認するようにしていました。

チェックポイントは社員と共有する

前々回に、経営計画書中に「DON’TS (やらないこと)」の一つとして「片務契約は受諾しない」と記載した、というお話しをしました。
しかし、片務契約がダメって言っても、何が片務契約なのか社員が理解していなければ意味がありません。具体的に、「こういう条件はダメ」って言わなきゃ意味がないのです。
契約審査のためのガイドラインやチェックリストを準備して、営業や契約管理の実務担当者及び責任者に説明・教育を実施して、良く理解してもらわなければなりません。

参考までに、私が台湾駐在時代に社員と共有していた契約審査ガイドをサンプルとして掲載します👇

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