見出し画像

イチゴの栽培技術を学ぶ~『イチゴ栽培の理論と実際』

おはようございます。

私は、昨春50歳で脱サラして埼玉県農業大学校に入学、
今春無事卒業して新規就農し、さいたま市でイチゴ栽培に挑戦しています。農業初心者の私は、本や文献を読み漁り、先生や先輩に教えを請い、
日々、イチゴの栽培技術習得に努めています。
そんな私のイチゴ栽培の学びを、ここで共有したいと思います。

今回は、イチゴ栽培の理論と実際をご紹介します。
この本は非常に古いもので、現在は手に入れるのが難しいかもしれません。
私は農業大学校の図書館で偶然見つけました。
大きくて甘いイチゴを作りたいと思い、夏休みにこの本を借りて関連部分を拾い読みしました。
この本で学んだ内容をここでシェアしたいと思います。

大きなイチゴを作るためには?

まず、大きなイチゴを作るためには、花数を制限することが重要です。
同じ花房内では、上位の花ほど大きな果実になる素質があり、栄養分や水分もより多く使えます。
このため、下位の花を摘み取り、上位の花だけを残すことで、果実が小さくなるのを防ぐことができます。

また、光合成を盛んにすることも大切です。
摘葉や遮光はできるだけ避けた方が良いです。
因みに、本書では「ハウス内が明るすぎて困る、ということは決してない」と断言されています。

さらに、低温で管理することも効果的です。
温度が高いと呼吸による消耗が大きくなり、摂取した栄養分が奪われてしまいます。また、温度が高いと成熟日数が短くなり、果実が大きくなる前に成熟してしまいます。

甘いイチゴを作るためには?

甘いイチゴを作るためにすべきことは、大きなイチゴを作るためにすべきことと多くが重複します。

まず夜温を低めに保つことが有効です。
夜温が低いと成熟日数が長くなり、成熟して赤くなるまでに果実の糖度を高めることができます。

さらに、光合成を盛んにしてやることで、イチゴはより多くの養分を摂取することができ、結果として甘さが増します。

根張りを良くすることも忘れてはいけません。
摘葉しないことで光合成が促進され、新根が発生し、活着が促進されます。
これにより、根張りが良くなり、イチゴの成長がさらに促進されるのです。

また、この本から、育苗や果実温度についても学びを得ましたので以下に紹介します。

育苗

育苗日数が長くなると、根が褐変しやすくなることが分かりました。
おおよそ60日を超えると褐変根の発生率が急上昇するため、育苗日数は60日以下に抑えることが推奨されています。

また、育苗時にクラウンを太らせると、第一花房の花数が増加します。
クラウンを太くするためには、採苗時期を早めに設定し、葉を摘まないことが重要です。

果実温度

果実温度が低いと、果実は硬くなり、傷つきにくくなります。
そのため、収穫は早朝、果実温度が上昇する前に行うのが理想的です。
収穫後は直ちに冷蔵庫で冷やし、その後にパック詰めすることが推奨されています。

『イチゴ栽培の理論と実際』は古い本ですが、その根幹となる理論や考え方が分かり易く解説されています。
現在は手に入れにくいレア本ですので、もし見つけることができたら是非手に取って拾い読みしてみてください。

この記事が誰かの助けになれば嬉しいです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?