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【体験談】50歳からの新規就農~農業大学校に入って得したこと

おはようございます。

私は、昨春に脱サラし、今年4月に51歳で認定新規就農者となりました。
国の制度を鑑みると、50歳以上で新規就農を目指すのはあまり賢い選択ではありません。
そんな賢くない選択をした私の就農までの道のりを書いています。

前回は、私が農業大学校に入学するためにやったことを書きました。
今回は、農業大学校に入って得したことを書いていきます。

農業大学校は新規就農には間違いなく良い選択

農業大学校に入学する目的は人それぞれです。
私が農業大学校に入学した最大の目的は、新規就農であり、農業大学校の卒業証書です。
非農家の私が、農地を確保するため、公庫融資や補助金を獲得するためには、農業大学校の卒業証書が最も有効と考えました。
農業大学校生になることで、私は以下のような特典があると感じました;

  • 農業大学校生になることで、行政(県や市町村)の方々はより温かく支援してくれるようになる

  • 農業大学校教職員も県農政関連職員のため、行政手続きの相談に乗ってくれたり、農林振興センター等の関係機関を紹介してくれる

  • 農業大学校の同級生同士で、行政手続きや行政担当者に関する情報などを交換・共有できる

農業大学校以外の就農ルートを経験していないので比較はできません。
が、農業大学校進学が新規就農への良い選択であることは間違いないです。

農業大学校生活は大学生活とは違う

学校や担当教員によっても事情が大きく異なると思いますが、
私の農業大学校生活は、30年前に経験した自由気ままな大学生活とは全く違いました;

  • 埼玉県農業大学校では、月水金が栽培実習、火木が座学

  • 熊谷の夏は恐ろしく暑く、夏場の栽培実習は過酷(昨夏は実習中に学生が救急車で運ばれたらしい…)

  • 栽培実習では担当教員が栽培計画を全て作成、学生は担当教員の指示に従う「作業員」となり頭を使うことは皆無

  • 卒業式の前日に予行演習がある😨

農業大学校にもう一回戻りたいかと問われれば、「NO」🙅です。

農業大学校生の特典

どれだけ辛かったり馬鹿馬鹿しかったりしても、「新規就農のため」と自分に言い聞かせれば農業大学校の1年を乗り切るのは難しくありません。
とはいえ、「それでも無理🙅」という方もおられるかも知れません。
そんな方のために、農業大学校生の特典が新規就農以外にもあることをお伝えします;

①卒業研究

埼玉県農業大学短期野菜専攻では、学生個々に課題を取り上げ調査研究を行う「プロジェクト」と呼ばれる卒業研究がありました。
栽培実習とは異なり、プロジェクトでは、自らが主体的に課題設定、栽培計画作成、栽培・収穫、など体験・経験できます。
私は、就農後すぐ役立つよう「イチゴ高設栽培における培土の違いによる影響」という課題設定をし、このプロジェクトに取組みました;

  • 栽培計画策定のため、色々な本や文献を読むとともに、担当教員から色々な技術的アドバイスを頂いた

  • 高設架台を農業大学校の資材を利用して自ら組立てた

  • 3種類の培土とマルハナバチを私のプロジェクト用に農業大学校に購入してもらった(農業大学校にプロジェクト用の予算がある)

  • 給水量や液肥濃度などを自ら試行錯誤しながら設定・管理した

  • 病害虫のこと、果実サイズのこと、食味のこと、など、栽培中に実際に遭遇した問題を担当教員に直接相談できた

農業大学校のハウス内で約500株のイチゴを栽培しましたが、就農前に一通りイチゴ栽培を体験・経験できたことで少しばかり自信となりました。
何より、単純に「大人の自由研究」は楽しいです。

②学割

50歳を過ぎていても学生なので、学割が使えます。
学割のおかげでJR定期券はすごく安くなりました。
あと、新幹線代も安くなります。
片道の営業キロが101キロ以上ある場合、運賃が2割引になります。
この新幹線学割があるので、私は在学中に愛知県や滋賀県など他県の先進農家を訪問しました。

③マルシェ参加

さいたま市のマルシェに農業大学校生として特別参加させて頂きました。
これは、私がさいたま市役所に行ったとき、何気なく「マルシェに参加したい」と希望を告げたことから始まりました。
前例の無いことだったため、色々な方々のお力添えで実現しました。
さいたま市農業政策課、埼玉県農林振興センター、農業大学校、など。
特に、農業大学校のS藤先生とG藤先生が「チャレンジする学生を応援する」ため動いてくれたことには今でも感謝しています。

繰り返しますが、農業大学校に入学するという選択はきっと良い選択です。
そして、農業大学校に入学するのも大きなチャレンジですが、入学してからも色々チャレンジすることをおススメします。
言ってみるだけタダなので、是非、学生の身分を有効活用しましょう。

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