カリフォルニア州司法試験#2_Bar Exam概要
California Bar Examは、年2回(通常は7月と2月)に2日間にわたって実施されます。1日目は火曜日、2日目は水曜日です。
渡米スケジュール・滞在先
試験が火曜と水曜なので、日本から渡米して受験する場合、頑張って旅程を切り詰めても試験が実施される一週間は休暇を取らざるを得ません。そのため、次のようなスケジュールの受験生が多かったように思います。
前の週の週末:日本時間土曜に日本発→現地時間土曜にCA到着
日曜〜月曜:時差ボケ調整&現地ホテルで勉強
火曜〜水曜:受験
木曜〜金曜:ごほうび観光
土曜:現地時間土曜にCA発→日本時間日曜に日本着
当然ながら、時差ボケ調整の日程は絶対にとった方がいいです。実際、このスケジュールで前入りして調整していても、試験2日目にはふらふらになって試験中に寝落ちしかけたので…。
滞在するホテルは自分で予約することもできますが、試験委員会推奨の近隣ホテル(受験生割引付き)がいいです。試験が近づくと割引枠が無くなることがあるようなので、早めに予約しましょう。個人的には、いくつかあるホテルの中でも、試験会場に直結しているホテルを押さえることを強くお勧めします。試験直前まで部屋でまったりできるし、お昼時間にもすぐ帰れて疲れないし、ホテルキーとPCだけ持ってさくっと会場に行けるし(試験会場は私物の持ち込み制限がものすごく厳しい)、いいこと尽くめです。お値段も一番高いですが、それだけの価値はあります。あと、試験最終日の朝にチェックアウトするとかなりバタバタしてしまうので、木曜朝チェックアウトがお勧めです。
試験内容・合格ライン
試験は1日目が記述式、2日目が択一試験で、配点は50/50になっています。現在の合格ラインは調整後の点数で1390点(私の受験時は1440点)です。ややラインは下がりましたが、概ね7割程度が合格ラインのイメージです。
1日目(配点50%):午前Essay 3問(3時間)、午後 Essay 1問(2時間) +Performance Test 1問(1.5時間)
2日目(配点50%):MBE 200問(午前と午後3時間ずつ、各100問)
私は記述と択一どちらかに集中するということはせず、MBEの7科目(MBE科目はEssayにも出題されます)に重点を置きつつも、全体をバランスよく勉強するようにしていました。中には、Essayはほとんど練習せずMBEに全力投球して合格したという猛者もいますが(英語がとても上手な方だったので、それなりにEssayも書けていたのだと思います)、流石にEssayが0点では合格しようがないので、何らかの対策はしておいた方が良いです。
Essay
いわゆる論文試験で、試験1日目に実施されます。全13科目の出題範囲から、合計5問(午前3問+午後2問)出題されます。私の時は、1日目の午前はEssay 3問に対し3時間、午後はEssay 2問とPerformance Test 1問に対し3.5時間がそれぞれ割当てられ、1問あたりにかける時間や解く順番は自由でした(2020年はオンライン試験になるためこの辺りが変更になるかもしれないと聞いています)。試験までに記憶した知識をフル動員して、どうしようもないときはルールをでっち上げたりしながら、時間内に書けるだけ書きます。
Performance Test (PT)
記述式の試験ですが、「回答の前提となる知識が一切必要とされない」という点がEssayと異なります。PTの問題文は、以下で構成されます。
(1) 起案内容の指示が記載されたメモ(法律事務所の上司から部下への指示というパターンが多い)
(2) 関連する事実が記載されたケースファイル
(3) 関連する法律及び判例がまとめられたライブラリ
時間内に全体を読み、ケースファイル中の関連事実にライブラリ中のルールを当てはめて、指示に沿った文書を完成させます。暗記で対応できず、問題文の分量も多いので敬遠されがちですが、慣れれば貴重な得点源になるはずです。問題文全体をべたーっと読んでしまうと終わらないので、ポイントを押さえて二度読み・三度読みをせずに書くための練習が必要です。司法試験の論文よりも、司法研修所の起案(2回試験)に近いかもしれません。
MBE
全200問の択一試験です。MBE対象の7科目から各25問と、採点対象にならないダミーの25問(将来の試験問題作成のためのものらしい)がでます。問題の並び順は科目混ぜこぜのランダムで、(当然ながら)問題文に科目名は表示されません。1科目あたりの問題数はそれほど多くないものの、数問(体感で25問中2〜3問くらい)は、JD生でなければおそらく見たことのないであろうマイナー論点が出題される感じです。明らかに聞いたことのない用語が出てくる問題などは時間をかけずに適当にマークしてパスし、それ以外を手堅く解いていくことになります。
とにかく時間との勝負です。午前午後でそれぞれ100問/3時間なので、1問あたり2分以下(!)のペースで回答しなければなりません。トイレにいく時間もないくらい(わたしは途中どうしても眠くなってしまい、二度ほど全力疾走でトイレに行きましたが…笑)。現地の学生と思われる方を含め、試験終了間際になっても最後まで解き終わっていない人がすごく沢山いたので、最後まで解き切るだけでもアドバンテージになりそうです。
California Bar Exam 受験生を全力で応援しています!