Genya Nakamura

現代美術の展覧会などの備忘録|nkmrgny@gmail.com

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表が裏で裏が表で......「豊嶋康子 発生法──天地左右の裏表」(東京都現代美術館)

 東京都現代美術館で「豊嶋康子 発生法──天地左右の裏表」を見た。  初期作品を含む約400点(内覧会で聞いたところ正確には500点を超えるらしい)が集う初の大規模個展。これまでM画廊(栃木)やMaki Fine Arts(東京)などで継続して発表してきた作家の全体像を見ることができる。  豊嶋さんのシンプルな方法で反復していく作風に惹かれる。木製パネルの裏側に木片を組み合わせてさまざまなパターンをつくる《パネル》シリーズや、口座を開設してキャッシュカードと通帳を展示する

    • 男性性の解体ーグレイソン・ペリー『男らしさの終焉』

       グレイソン・ペリーによる「男らしさの終焉」を読んだ。原題は「The Descent of Man」 男らしさの終焉 作者:グレイソン・ペリー 出版社/メーカー: フィルムアート社 発売日: 2019/12/25 メディア: 単行本   グレイソン・ペリーは、1960年イギリス生まれ。2003年にはイギリスの権威ある賞「ターナー賞」を受賞、以降著名なギャラリーや美術館などで展示を行ってきた。また、トランスヴェスタイト(異性の服装をする人)であり、「grayson

      • SNS時代の美術鑑賞『クリスチャン・ボルタンスキー ─ Lifetime 国立国際美術館』

         ※過去の文を編集して転載  国立国際美術館にて『クリスチャン・ボルタンスキー ─ Lifetime』を見てきた。  ボルタンスキーの作品は、直島(香川県)に常設作品としてある「心臓のアーカイブ」や、2016年に東京都庭園美術館で個展が開催されるなど、たびたび見ることができるが、今回の展示は過去最大規模となる回顧展。  最近ではTwitterやInstagramの普及によって、世界中の美術館やギャラリーが独自のアカウントを持ち、展示内容を発信しているのも珍しくない。日本

      表が裏で裏が表で......「豊嶋康子 発生法──天地左右の裏表」(東京都現代美術館)