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120人の遠隔演習講義でRemo Conferenceが落ちて、askTAとクラウド系サービスで乗り切った話

これまでにも何回か書いているプログラミング演習の講義は、受講生が120人おり、色々な施策を打つことで、なんとか対処してきました。

方法としては、「全受講者がリモートで受講できるためのパソコン等の提供」「Slackに全学生に入ってもらいいざというときのリアルタイムコミュニケーションの手段の確保」「予習資料の改善」「typing.runというタイピング写経サービスの開発とそれを事前予習課題にすること」「Remo Conferenceによる講義の運用」「Google Driveへの課題の提出&採点補助システムの開発」「Google Form/Spreadsheetでの課題提出申告&チェック状況提示」「askTAシステムによるソースコードを共有しながらの学生の質問対応」「YouTubeへの課題解説などの配信」などになります(詳細は以下を参照して下さい)。

で、色々ありましたがとりあえず無事に第7回までは乗り切り、第8回目も13:30からの講義開始時の約30分の説明(この回は配列の使い方で、配列+繰り返しなので難易度が急に上がってくるものでした)や14:00からの課題の説明などまでは、うまくいっていたのですが...

Remo Conferenceで全体向けにプレゼンを実施すると、左上に今何人が聴講しているのかという情報が提示され、通常は100~120人程度がそこに数として見えています。ただ、終わったタイミング(14:10頃)に確認すると20人ちょっとしか人数がいません。えっ? なにがおこってるの? もしかしてみんな聞こえてなかった? とゾッとしてしまいました。

で、チャットなどを確認すると、Remoに繋がらなくなりましたというメッセージが多数。ただ、確認した所、解説部分にはトラブルがなかったようで(それ以前にトラブルがあった人が連絡できていないだけの可能性もありますが)、終わった瞬間(終わる直前?)に繋がらなくなったようでした。

取り急ぎ、Remo Conferenceから収録しておいた動画をダウンロードしてYouTubeにアップ。んでもって、それ(講義の動画+課題説明の動画)を即座に受講生全員が入っているSlackのチャンネルに展開。また、Remoが引き続き不安定で、接続できても周りに誰も提示されないなどのトラブルが起こっていました(下図、この時点で20~30人このフロアにいるはずなのですが、だーれもいませんし、自分のアイコンも見えません)。

とりあえずSlackでトラブルが発生していることを伝達し、これはもう無理だと20分くらいで見切りをつけて、Zoomなどを準備。こりゃ大変だーとか思っていたのですが、課題提出フォルダ(Google Drive)には着々とファイルがアップされ、課題提出申告フォーム&チェック状況提示のスプレッドシートは無言で着々と進行していきます。なにこれすごいという感じです。学生さんたちの情報リテラシが高くて驚きました。


とりあえず、課題のチェック状況はなんとかなっていることが確認できたので、ここで気になったのがRemo Conferenceでこれまで運用していたTAさんでの質問対応をどうするかという話です。

ここで活躍したのがaskTAシステムでした。askTAシステムは、TAに対して並ぶ質問者を順番の処理するため、またRemo Conferenceに相手のPCに介入する機能がないことから、プログラムのコードを共有しつつ、Remo上で通話でやりとりするため、順番待ち機能、プログラムコードの同時編集機能と、ブラウザ上での実行機能を搭載したものでした。

この機能のおかげで、3時間の演習で、合計68個の質問を、TA6~7名でさばくことができました(ここでの音声通話とはRemo Conferenceを使った通話ということ)。

とても便利なものだったので、開発者の又吉康綱くんに、「いっそのこと音声通話機能もつけちゃったら、来年度も活用できるかもね!」などと軽口を叩いていた所、次の回までには導入してくれました(NTTコムのSkyWayを使っていたようです)。

実装はえーとか思いながら、これで来年度もいける!などと喜んでいたのですが、Remo Conferenceのトラブルにより活躍の場が巡ってきました。

これまでは、TAさんに質問するためにRemo Conference内でTAさんの待機しているテーブルに移動し、テーブル上で音声通話をしていたのですが、askTAにはなんと音声通話機能が搭載されています。

最初に、マイクを使用する許可さえ出しておけば

こちらの「マイクアイコン」をクリックするだけで通話できます! なにこれすごい。

この機能のおかげで、なんとメインのRemo Conferenceが死んでいるのに(つまり部屋が死んでいるのに)、なぜか順調に学生さんからの質問がさばかれ、TA業務が進行していきました。

途中の課題のヒントについては、Remoを見切ってZoomの部屋をたてて、Slack経由でZoomを使うことをアナウンス。15:20に課題のヒントをZoomで提示して、Zoomに入ることを気づいていない学生さんをケアするため、課題の解説をCommons-iという明治大学の講義動画配信サービスにアップしてSlackで学生に展開。また、課題の提出締め切りを16:45から、17:00に変更し、課題の解説については別途動画を用意して配信するという流れで対処することにしました。

ドッキドキで終わった後ヘロヘロになりましたが、無事演習講義は実施できましたし、多くの学生が課題をしっかり達成できていました。トラブルに備えて多重化は重要で、一学科にひとり又吉くんがいると色々便利だよ!という話でした。ちなみに、最後までRemoはこわれっぱなしで、チャットで相談しましたが、さっぱり問題解決しませんでした(フロアの人数が荒ぶっています)。

ってか、プログラムについてはProcessingしか対応していないけれど、Zoomとの講義でTAによるサポートが必要なものについて、askTAはテキストの同時編集機能はあるし、音声通話機能も、質問を順番にさばく機能もありますので、同時並行で進めていくことができます。本当に便利です。

ということで、askTAシステムほしい学部とか学科は多いんちゃうかなーとか思ったり。ご興味がありましたら私までどうぞ。

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