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オバさんを感じる時

最近自分のオバ化について色々考える。

いつまでも若々しくありたいとは思うけど
子供の頃に見ていたオバさん像に確実に近づいてる今日この頃です。

最近一番感じてるのは、やたらと蕎麦ばかり食べている。
子供の頃、家族での外食が蕎麦だと言われると『エー』となった。
全然お腹いっぱいにならないカンジがしていたし
もっと見た目もパっとしたコテコテの洋風料理か中華がよくて
いっくら天ぷら付けてくれても、カツ丼もあるよと言われても
なんとも地味なカンジがして全然好きじゃなかった。

そんな私が大人になって間もない、今よりもっと若い頃
いざお蕎麦屋さんに行くと全般的に高いなと感じた。
いつだって満腹になるほどガツガツ食べたい私は
この少量にこの金額、別ジャンルのあの店だったら同じ金額でお腹いっぱい食べられるのになと
自分でお金を遣ってまで食べなくても全然イイと思っていた。

そんな私だったけど、だいぶ歳を重ねて、色んな事がわかってきて
お蕎麦屋さんでのそれぞれの単価には意味がある事もわかってきた。
材料の調達や管理も、蕎麦を打つことも、天ぷらを揚げることも、プロの技術も、そこで働く人たちも
それぞれが素晴らしく、それぞれに価値があってのあの値段。
同じこと出来んのか?って言われたら、全然出来ない。
そりゃお金払ってでも食べたいよね!なるほど!と思ったのです。

さらにはあの少量具合、イイ歳したらガツガツせずに粋を嗜むにはあの量だ
そう思えるようになってきた。
そう思えるようになったきっかけは、私の胆石事件にある。
若い頃と同じように、全然気にせずお腹いっぱい好きな物を食べてたある日
謎の気持ち悪さに襲われ、起き上がる事も出来ないくらいになり
1日様子を見て、翌日病院に行くと、私の体の中に胆石がコロコロしていた。
しかも1つでなくて、小さいのがいくつか。

まだ痛くて転げまわるほどではなかったけど、注意してないと
そのうち確実に痛い目に遭うよってカンジで治療が始まった。
胆石が出来る原因の食べ物たち、私の好きな物ばかりだった。
あの具合悪くなった日の前日、そりゃ具合悪くなるわってラインナップを
まんまとお腹いっぱい食べていた。もう身に覚えしかなかった。

手術をして取り出さなきゃなほどではなかったので、食事を改善して
石を溶かす薬を飲んで様子を見ましょうというくらいで
そう言われて数ヶ月、まじめに取り組んだおかげにすっかり石は無くなった。

若い時と同じつもりで、ガツガツ食べてたけど、確実に内蔵は老化してて
分解出来る機能も若い頃より確実に衰えていた事を実感した。
そんな経験をしたおかげに、あの足りないくらいの量が適量だとやっと知ったのです。

たまにはプロの味を嗜みに、お蕎麦屋さんに行きたいのはヤマヤマですが
仕事をしなくなってだいぶ経つ私は、外食したい!が言いづらくなりました。
そんな事をチクチク言ってくる主人ではないのですが、毎日好きな事しかしてなくて、楽しく家に居る私がそんな事言うなんて、なんか申し訳なくて。
そんな状態も長い事続いているので、外食するとなると、またとない機会!
そのくらいの特別な日になっているので、それが蕎麦で本当にイイのか?となり
結局いつもお蕎麦屋さんに行く事は無いので、蕎麦を食べるといえば、家でになります。

私が作るなんちゃってですが、まぁ家で食べる分には充分というカンジ。
昔はこうやって家で頻繁に食べる麺類のジャンルも、蕎麦よりもうどんやパスタがほとんどでしたが
最近の蕎麦率、カナリ高いです。週1以上。
なんかオトナになったもんだなと思います。

蕎麦以外にも、あれこれオバ化を感じている事がいくつもあるのですが
特に感じるのは、若いアイドルグループの女の子も男の子も、みんな同じに見えてしまう。
昔、母や祖母がそんな事言ってたけど、それに対して全然違うのに、目が悪いんじゃない?と思っていたのに
まんまと今の私はそう見えてしまう。

そして若い人の歌がちっとも覚えられないだ、何言ってるかわからないだ
まんまと子供の頃に聞いていたオバ化現象の数々を実感している。
今までだったら、新曲を数回聞いて、耳が音に慣れたら、文字(歌詞)を見ればすぐに歌えたのに
今はちっとも耳が慣れないのか?覚えが悪くなってるだけか?何度聴いても、ちっとも歌えるようにならない。

以前カラオケに行った時に、悲しくなるほどオバ化を感じた。
あのちょっとテンポがおかしいカンジで、遅れちゃうあのカンジ
本当にこの歌知ってんの?と子供の頃によく思っていたけど
あの遅れ具合、私もまんまとなってしまった。
何度も何度も聴いて、車の中とかでCDと一緒に歌って覚えたはずの曲
歌詞だって覚えてたはずだけど、画面に流れる歌詞を追えない
読めるはずの漢字が突然読めなくなったり、知ってるはずの歌詞がおかしなことになる。
もう色んな連動が、自分の意思とは違っている事に悲しくなった。

あとは友達の子供と久しぶりに会った時の会話。
会わない間にあっという間に大きくなった事にびっくりして
ついこの間まで赤ちゃんだったのにって事を言いたくてしょうがない。
そりゃ歳取るわけだわ~ってアレ。まんまと素で言ってしまう自分が居る。子供の頃、オバさんのついこの間っていつだよ!って思ってたのにさ。

あとオバさんって人に会うと、必ず聞かれる『学校楽しい?』みたいなやりとり。
なんでみんな同じ事聞くんだろう?と思ってたけど、ついこの間、私もまんまと聞いてしまった。
自分だって『別に』みたいな事を思ってたから、素っ気ない返しだったけど
友達の子供からも、まんまとそんなお返事だった。
元気いっぱいに『楽しいよ!』なんて返しをしてくる子、ほとんど居ない。

そしてそのすぐ後、別の友達が全く同じ質問をその子にまんまとした。
オバさんたちの久しぶりの再会の場、本当に子供にとったら迷惑な時間だろう。
久しぶりに集ったオバさんたちは、『久しぶり~』から始まるの挨拶の後
友達の子供に絶対同じことを聞く。さらになんだか同じことばかり話す。
さっきから何回同じ事言ってんの?もうつまんないから帰りたい。
私は子供の頃何度もそう思う機会があった。

そしてやっと帰るとなっても、『じゃあね』を言ってからがまた長い。
もうじゃあねって言ったら、さっさとバイバイしろよ!と思っていたけど
今の私はまさにそんなカンジだ。
歳を取るとまんまとこうなるんだな~って、ちょっと面白くも感じる。

自分が子供のだった頃、オバさんを認めたくない人が『お姉さん』と呼ばせようとする事が気持ち悪かった。
友達のお母さんはみんなオバちゃんだし、お母さんの友達もみんなオバちゃん。
結婚してようが、してまいが、子供には全然関係ない。
確実にお姉ちゃんなんかじゃない。いつもそう思っていた。

昔働いていた職場で、確実にものすごく年上のお姉さんだったけど
独身で、いつもミニスカを履いていたり、身なりは若作りしていた人
私から見たって確実にオバさんだった。
その人が、育休明けで、1歳になろうとする子供を連れてきた人が職場に来た時
『お姉ちゃんだよ~』と子供に寄って行った時のあの空気
誰も言わなかったけど、確実にその場に居た全員が『違うだろ』と思っていた。

私はその日の気持ち悪さを忘れられない。
『オバさんと認めてしまってはダメ!』なんて言う人も居るけど
オバさんだったとしても、身なりとか、行動とかがちゃんとしてればイイじゃん!と私は思う。

見るからに残念だなと思うようなオバさんも居れば
いくつになっても素敵な人もたくさん居る。
どちらをイイと思うかはその人次第だけど、私はオバさんとして
今の自分をそれなりに楽しもうと思っている。
オバさんになれば、もっとちゃんと何でもわかる大人になってるかと思ったけど
全然中身は小学生のままな気がするし、バカなまんま。
まだまだ真のオバさんになるまでには修業が必要かな?

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