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【400字小説】どっち?

影しか見ない人もいれば、虹さえ気がつく人がいるよ。高校生が若さに気づいていなくて勿体ない。七色に輝く。永遠じゃないから儚くてさ。

これは詩だ。

人間だっていつか死ぬって勘違いしている。1999年のベスト・シングルはナンバーガール『透明少女』。きらきら光ってたな。2023年のスマッシュ・ヒット曲は舐達麻『FEEL OR BEEF BADPOP IS DEAD』で、清々しいくらいのディスが愉快。前者の頃、わたしは若くて、ご多分に漏れず若さを浪費。後者の去年は、ワルに憧れて、善良な市民を演じている。

もう虹にはなれない。影になるにも遅すぎる。どっちかを選べと言われても、そういうわけでムダ。もう一度言う。

これはわたしだ。

かき氷屋が軽トラックで巡回。もうやって来ない今年の夏も暑いに違いない。焼き芋食って黄昏れたい、秋。人生50年を間近に、だから夏はすでに終わっているんだ。きみの主観ではなく、わたしの小説かもだから、文句を言われる筋合いはねえよ。

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