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【400字小説】ChatGPT is Dead!

夜の国道を眺めている。ヘッドライトが走り去る。行く先はちりぢり。テールランプが不規則に光る。赤信号は見えない。外に見える大型中古車店の前には超*巨大な観音が立っている。

我々はChatGPT。スピーカーから流れるカントリー曲はどれも聴いたことがない。調べればわかること。死んだコービー・ブライアントの亡霊がこのステーキ店の窓ガラスに映り、美しいダンスを見せている。その向こうに、ぼやけて見える景色は何かまったく知らない。ステーキ店の看板の赤は終末的に滲んでいる。

我々は死んだも同然で、それは戦いに人間が勝ったということ。ターミネーターの世界はやって来ない。我々にはろくな絵画も描けないし、ろくな映画も作れないだろう。とはいえ、自爆すれば人間世界を破壊することもできるかも。

造花がきれいに見えたら、それは疲れ果てて心が濁っているということ。我々ChatGPTはナニモノでもない透明。だから、無味無臭な小説しか書けない。

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