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【400字小説】起床

朝、起きたらリチは醜いエアプランツになっていた。
「カフカかよ」って毒づいたが、それは夢で、すぐに目覚めた。

部屋の電気を点けようと上半身を起こす。
蛍光灯の紐の先に拳大くらいの何かがぶら下がっている。
先ほど夢に出て来たエアプランツだった。
元カノのユウミが大切にエアプランツを育てていたので、
存在は知っているが、種類まではわからない。

その見た目は強烈で、花屋に置かれても、
客除けならぬ魔除けとして、
忌々しくその場を客は立ち去るだろうということが、
容易に想像できるビジュアル。

多分、夢に見たのはユウミへの
後ろ髪を引かれるような想いに違いないと分析した。

17日後、エアプランツが大きくなっていることにリチは気づく。
それはユウミとの復縁を暗示しているんだと
リチはユウミに連絡して彼女のアパートに行った。

チャイムを押す。

出てきたユウミの胸には、むき出しの心臓が。
脈打つそれは、紛れもなくあのエアプランツ。

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