【書評】新エバンジェリスト養成講座

西脇 資哲
翔泳社
2015/10/13
★★★

 エバンジェリスト最近よく聞くようになりました。「伝道師」て。最初はまぁなんて胡散臭い肩書だと思いましたが、和訳が悪いね。ニュアンスだいぶ違うでしょ。元々プレゼン・ファシリテーションは興味分野として多少の訓練をした時期もあったのと、最近ちょっと思うことがあり、暇つぶしに手に取りました。

 内容について。テクニック面ではほとんど基本的なことであり、一度この手の本を読んだり学んでいる人にとっては、8割くらいが復習になるかと。勉強は実践と反復が必要だと思っているのでもちろん無駄ではないけど、新しいエッセンスが欲しい人には物足りなく感じるかも。響いたのは心構えの部分で、ほとんどのプレゼンが「伝えること」を目的に据えていることが多い中、この本は一味違いました。

その先を見てる。

プレゼンテーションというのは、相手を動かすことです。相手を動かす力です。

出典:新エバンジェリスト養成講座本文より

 考えれば当たり前だけど、同じことを伝えるためにも、より相手を動かすためのシナリオとレトリックを選択している。自身の営業という職種に当てはめれば、より買ってもらえる可能性が高い言葉選びが必要。同じプロダクト、同じマーケットでも担当営業により売上に差が出てくる、いわゆる「れんと」みたいなものがある。思うに、この目的の置き方によるトークの違いがプレゼンの違いとなり、成約率・額の違いに現れてくるのではないかと。データを取ったわけではないけど、体感として当てはまりが良いような気がした。

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