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特許法171条 再審の請求

 原則として、確定した審決が覆ることはありません。しかし、完全に不服申し立てができないとすると、困る場合もあります(論文試験では、具体的妥当性の要請に反する事態を生ずるおそれ とか言います)。そこで、訴訟手続における重大な暇疵等一定の理由がある場合に限定して、再審を受けられることとしています(特許法171条)。

・確定していない審決について再審を請求した場合
 再審請求は補正できない欠缺のある不適法なものです。
 審判官の合議体は甲の再審の請求を、審決をもって却下します(174条2項で準用する135条)。

・再審において請求人が申し立てない理由を審理することの可否について
 特許法174条2項において、職権審理の規定である法153条は準用されていません。このため審判官合議体は、再審において請求人が申し立てない理由を審理することはありません
 審判(再審ではない)においては職権主義の原則から当事者が申し立てない理由についても審理することができます。しかし、再審は確定審決の効力を争う非常の不服申立方法であることにかんがみ、判断の範囲を狭く限定すべきであるということによるものである。

・再審における訂正請求の可否について
 無効審判の再審において準用する審判の規定を定める法174条2項において、訂正の請求を規定する法134条の2は準用されていません。このため審判請求人は、再審において訂正の請求をすることはできません
 再審は確定審決の可否を争うものであって、無効審判の再審中に再度訂正を認めて、確定審決の対象が変更されることは妥当ではないためです。


・特許法171条

(再審の請求)
第百七十一条 確定した取消決定及び確定審決に対しては、当事者又は参加人は、再審を請求することができる。
2 民事訴訟法第三百三十八条第一項及び第二項並びに第三百三十九条(再審の事由)の規定は、前項の再審の請求に準用する。
第百七十二条 審判の請求人及び被請求人が共謀して第三者の権利又は利益を害する目的をもつて審決をさせたときは、その第三者は、その確定審決に対し再審を請求することができる。
2 前項の再審は、その請求人及び被請求人を共同被請求人として請求しなければならない。

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