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特許法167条、167条の2 審決の効力と確定範囲

 審判の当事者及び参加人には、審決確定とともに審決の一事不再理効が発生します。
 一事不再理というのは、特許法167条の「同一の事実及び同一の証拠に基づいてその審判を請求することができない」ことです。同じ証拠を使って、何度も特許無効審判又は延長登録無効審判を起こされると困るので、一事不再理の規定が設けられています。
論文試験では、この部分は、「先の審判において主張立証を尽くすことができたのに、審決確定後に同一の事実及び同一の証拠に基づいて紛争の蒸し返しを認めるのは不合理だから」とか言いますね。
 なお、訂正審判には一事不再理効はありません。権利範囲は狭くなりますが、間違えたら何回請求しても構いません。

 審決は基本的に審判事件ごとに確定します。
 ただし、一群の請求項ごとに審判請求があった場合には、一群の請求項ごとに確定します。これは、一群の請求項の中で審決確定時期が分かれた場合、特許請求の範囲の一覧性が損なわれるためです。
 訂正審判では、審決謄本送達時に訂正すべき旨の審決が確定します。


・特許法167条

(審決の効力)
第百六十七条 特許無効審判又は延長登録無効審判の審決が確定したときは、当事者及び参加人は、同一の事実及び同一の証拠に基づいてその審判を請求することができない。

・特許法167条の2

(審決の確定範囲)
第百六十七条の二 審決は、審判事件ごとに確定する。ただし、次の各号に掲げる場合には、それぞれ当該各号に定めるところにより確定する。
一 請求項ごとに特許無効審判の請求がされた場合であつて、一群の請求項ごとに第百三十四条の二第一項の訂正の請求がされた場合 当該一群の請求項ごと
二 一群の請求項ごとに訂正審判の請求がされた場合 当該一群の請求項ごと
三 請求項ごとに審判の請求がされた場合であつて、第一号に掲げる場合以外の場合 当該請求項ごと

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