特許法71条、71条の2 判定

 判定では、特許発明の技術的範囲について求めるものです。つまり、出願に係る発明が特許発明になるのは特許権の設定登録後です。このため、判定は、特許権の設定登録後でのみ、請求することができます

 権利の設定登録後に判定を請求することができるのは、商標法28条の判定と同じです。ただし、特許法71条では特許発明の技術的範囲に対する判定であるのに対し、商標法28条の判定では商標権の効力に対する判定である点で異なります。

 判定の結果は、行政処分ではなく単なる鑑定的見解なので、法的拘束力を有しません(最高裁S43/04/18)。

 判定には、物等が技術的範囲に属することを求めるもの(積極的判定)と、物等が技術的範囲に属しないことを求めるもの(消極的判定)と、があります。法的拘束力を有しないからか、判定請求には利害関係は不要です。また、判定での判断には一事不再理効(167条)はなく、判定に対する不服申立手段もありません。


・特許法71条、71条の2

第七十一条 特許発明の技術的範囲については、特許庁に対し、判定を求めることができる。
2 特許庁長官は、前項の規定による求があつたときは、三名の審判官を指定して、その判定をさせなければならない。
3 第百三十一条第一項、第百三十一条の二第一項本文、第百三十二条第一項及び第二項、第百三十三条、第百三十三条の二、第百三十四条第一項、第三項及び第四項、第百三十五条、第百三十六条第一項及び第二項、第百三十七条第二項、第百三十八条、第百三十九条(第六号及び第七号を除く。)、第百四十条から第百四十四条まで、第百四十四条の二第一項及び第三項から第五項まで、第百四十五条第二項から第五項まで、第百四十六条、第百四十七条第一項及び第二項、第百五十条第一項から第五項まで、第百五十一条から第百五十四条まで、第百五十五条第一項、第百五十七条並びに第百六十九条第三項、第四項及び第六項の規定は、第一項の判定について準用する。この場合において、第百三十五条中「審決」とあるのは「決定」と、第百四十五条第二項中「前項に規定する審判以外の審判」とあるのは「判定の審理」と、同条第五項ただし書中「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあるとき」とあるのは「審判長が必要があると認めるとき」と、第百五十一条中「第百四十七条」とあるのは「第百四十七条第一項及び第二項」と、第百五十五条第一項中「審決が確定するまで」とあるのは「判定の謄本が送達されるまで」と読み替えるものとする。
4 前項において読み替えて準用する第百三十五条の規定による決定に対しては、不服を申し立てることができない。

・特許法71条の2

第七十一条の二 特許庁長官は、裁判所から特許発明の技術的範囲について鑑定の嘱託があつたときは、三名の審判官を指定して、その鑑定をさせなければならない。
2 第百三十六条第一項及び第二項、第百三十七条第二項並びに第百三十八条の規定は、前項の鑑定の嘱託に準用する。

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