特許法37条 発明の単一性

●定義、趣旨
 発明の単一性(37条)とは、二以上の発明について一の願書で出願することができる範囲をいう。
 相互に技術的に関連した発明を一の願書で出願できれば、
 (i)出願人にとっての出願手続の簡素化及び合理化
 (ii)第三者にとっての特許情報の利用や権利の取引の容易化
 (iii)特許庁にとっての審査の効率化を図ることができる。
 こうした観点から、従来は一出願に複数発明を包含することを許容する旨を法律で規定していた。
 しかしながら、
 (a)柔軟な対応の困難性、
 (b)「特定発明」との関係で判断することによる問題、
 (c)先行技術との関係の不明確さの問題、
 (d)単一の請求項内での単一性違反が存在しないという問題があり、さらに
 (e)PCTとの調和を図る必要があった。
 そこで、平成15年改正法では、発明の単一性の要件として2以上の発明が所定の技術的関係を有することを規定し、その具体的要件については省令に定めることとした。

・この「省令」が、特許法施行規則25条の8です。
 技術的特徴が、「特別」といえるためには、発明の先行技術に対する貢献を明示する技術的特徴が必要なので、少なくとも新規性が必要です。
 また、単一性を有するといえるためには、同一の技術的特徴、又は、対応する技術的特徴、を有することが必要です。


・特許法施行規則25条の8

(発明の単一性)
第二十五条の八 特許法第三十七条の経済産業省令で定める技術的関係とは、二以上の発明同一の又は対応する特別な技術的特徴を有していることにより、これらの発明が単一の一般的発明概念を形成するように連関している技術的関係をいう。
2 前項に規定する特別な技術的特徴とは、発明の先行技術に対する貢献を明示する技術的特徴をいう。
3 第一項に規定する技術的関係については、二以上の発明が別個の請求項に記載されているか単一の請求項に択一的な形式によって記載されているかどうかにかかわらず、その有無を判断するものとする。

・特許法37条

第三十七条 二以上の発明については、経済産業省令で定める技術的関係を有することにより発明の単一性の要件を満たす一群の発明に該当するときは、一の願書で特許出願をすることができる

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