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加古川市公共施設等総合管理計画(2017.2)

前回は加古川市総合計画の中から「スポーツ」に関する抜粋と自分なりの所感やメモを記しました。

今回はスポーツにとって関りが深い公共施設について読み解きたいと思います。リンクはpdfとなっており、すぐさま開くのでご注意を。51ページに渡るので熟読するも、興味があるところを見ていくのも良しですね!


冒頭にもあるのですが、加古川市の施設は昭和40年代から50年代にかけて建築、整備されたものが多く、その多くが更新または今後どうするかをゼロベースで考える時期に差し掛かっています。

また、人口減少や高齢化を踏まえ、時代の流れと共に対応、計画していく必要があります。と同時に、未来を見据え、子供たちやこの街をどうしていくか、理想やイメージを持って現実と折り合いを付けながら進めていく必要があると思います。

とはいえ、ソフト面ではいろんなことを考えられますが、ハードとなるとそのコストも大きく、簡単に「正解」は導けないと思います。

この計画からもそんな苦悩が読み取れるかもしれません。


P.7
本市の上位計画である「加古川市総合計画」に基づく、各政策分野における公共施設等に関する取組や個別施設等に関する計画(加古川市橋梁長寿命化修繕計画、加古川市水道ビジョンなど)を横断的に捉えた指針として提示するものです。
加えて、「加古川市行政改革実行プラン」における公共施設等に関する取組と連携を図るとともに、将来にわたって持続可能な財政基盤を確立するための指針である「加古川市中期財政計画」とも調整しながら、本計画を推進します。
P7.計画期間は、平成 29 年度から平成 38 年度までの 10 年間とします

平成38年ということは2027年までです。この計画には加古川市における現状と予測が盛り込まれており、大変興味深いものがあります。

施設は特に使われないと不要感が増してしまいますし、コスパも悪くなります。そして使われないからと老朽化したり、廃れてしまうとますますそこを使う人は減ってしまいます。でも無くなると困る人、特に若い世代は「何もない街」と感じてしまうと思います。


P.21(2)地域実態マップ
市全域からの利用が想定される施設のうち、行政系施設や市民文化系施設は南部に配置されており、スポーツ・レクリエーション施設は北部に多く配置されています。このように、公共施設は、地域ごとの背景や環境の違いを踏まえた配置になっています。

特にスポーツ施設は北部に多く、一定の利用者、利用する理由となるソフト面がないと増えていかないと考えます。本当は南部や地域にもっと大きな公園があると良いなと思いますが、居住地の動態を見ると難しそうな現状があります。

市民意識の調査がP.27にあります。

「積極的に実施すべき」又は「どちらかといえば実施すべき」と回答した人の合計が 80%を超えた方策は「利用されていない市の土地を売却・賃貸して財源にする」、「現在ある施設を複合化・多機能化によって集約し、不要となった施設を廃止する」、「施設を計画的に修繕(予防修繕など)し、より長く利用できるようにする」、「利用者が少ない施設は廃止する」となっています。
また、「施設を計画的に修繕し、より長く利用できるようにする。」よりも、施設の廃止に関する方策について、「積極的に実施すべき」と回答した人が相当数上回ったことが、特徴的な結果となっています。

ではどうするかというとP.28に

既存の公共施設を全て維持管理・修繕・更新するための財源を確保することは非常に困難であることから、公共施設のマネジメントにおいても、「オープン」をキーワードに、施設の老朽化状況や更新等に必要となる経費の見通し、財政状況などの情報を積極的に公開することで市民の皆さまとの信頼関係を深め、互いに連携してこの課題の克服に努めます。

とあります。

施設環境の高度化を図り、賑わいの創出や世代間交流の促進、ワンストップサービスの強化など、市民サービスの維持・向上を図ります
受益者負担の適正化や指定管理者制度の活用など、「行政改革」における取組と連携を図ることで、より効果的に公共施設のマネジメントを進めていきます

部活動の地域移行でも話題になる「受益者負担」という考えも登場します。以下、統廃合や集約化、転化などそれぞれの仕組みや考え、行き方が記されています(-P31)

P.39からは行政改革の仕組みで指定管理や民間活力、地域などのキーワードと共に解説がされています。上述したようにハードを残したい、今後も活かしたいと考えるならば銘々が希望を言うだけでなく、コミュニティや活用実績を作り、ソフト面で高めていく、盛り上げていく必要があると思います。

地域活性化などの文脈が難しいのは経済なのか、人の動きなのか、無形のやり甲斐なのかいろいろ必要そうな指標も多くあり、評価が難しそうですが、スポーツにおける実績は割と解りやすいと思います。

日頃の活動、コミュニティの数や利用者、参加者、参画者、関係団体や大会、イベント等の数やそこに関係する外部から訪れる人なども数字としても上げやすいものとなると考えられます。


●削減必要面積の試算結果
加古川市中期財政計画で見込む予算内で施設等を維持管理するためには、保有する公共施設を 23.4%削減する必要があるという結果となりました

この状況では待ったなしだと思います。自分たちにとって必要だと思うことはどんどん動き、アピールし、盛り上げていかないとどんどん失っていく可能性があります。

しかもこれは「中期」と書いてあるので、この23.4%で終わるのではなく、これからもどんどんこうした状況が続いていくと考えられます。

さきほど「受益者負担」という言葉が出てきましたが、事業を継続する上でも収益が上がらないと続けていけません。加古川でも仕事、事業の移り変わりはあるのですが、これからはもっとソフト面などにも移行していくよう頑張りたいですよね。

そういう意味でもスポーツはいろいろなものを接続しますし、内だけでなく外とも接続し、機会創出する可能性を秘めています。もっと頑張りたいですね。


第5章 施設類型別における公共施設の方針

P.47(3)スポーツ・レクリエーション施設 小分類/施設例
6 スポーツ施設
体育館、市民プール、野球場、陸上競技場、武道館、漕艇センター
7 レクリエーション施設・観光施設
いずみプラザ、みとろフルーツパーク

現状
・スポーツ施設は市全域からの利用がある施設で、市北部に多く設置されています。
・スポーツ施設の多くは指定管理者による管理運営となっており、利用者の支払う利用料金等を管理運営に係る経費の一部としています。
・スポーツ施設では、各種大会やスクール等を実施しており、利用者数も多くなっています。
・日岡山体育館、志方体育館、日岡山市民プール、平荘湖アクア交流館、日岡山公園野球場は、建築後 30 年以上経過しています。

方針
・指定管理者制度を活用しながら、効果的・効率的に運営を行います。
・利用料金制により指定管理者のインセンティブを高めることで、サービスの質や量の向上に繋げます。
・利用状況や民間施設が提供する機能との重複等を踏まえ、統廃合や民間移管について検討します


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