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大手町と細部へのこだわり

先日、東京国際フォーラムに用事があって車で出かけました。途中、今はもう全く縁がなくなった大手町を通りました。大手町勤務は信じられないですがもう20年前のこと。

細部へのこだわりってすごく自分にとっては重要でした。そのこだわりがあったからこそ、大手町勤務の時も仕事上はいい成果が出たのでは、と思っています。

吉田拓郎さんの2016年のツアーの時のドキュメンタリーで、細部へこだわってギターの鳥山さんに詰め寄るシーンがあります。それを、NHKの桑子アナが観ていてビックリして質問するシーンが印象的でした。それに対して拓郎さんがこんなように答えます。「ひとつのコードにこだわっても、それはライブの観客からはわからないかもしれない。でもいいライブにするには大切なんです。」

そんなシーンもあったんで、やっぱり私は「細部へのこだわり」が最近まで重要だと思っていました。

でも今は、そう思っていないです。こだわりって、こん詰めて、周囲に圧かけても楽しくありませんし、そもそも物事は完璧にはならないんです。大手町が懐かしいのは、あの頃は若かったし、周囲も会社も今よりもずっと緩くて、自分でやり方を考えて、自分で時間をマネジメントし、自分で提案ができたから。今は、時間の無駄も許されず、次から次へとやるべきことが指示され、全て指示されたことがDXで管理される。スマホを持たされ、常に指示が飛ぶ。他人を思い通りに動かそうとする人が多すぎます。そんな中で「細部へのこだわり」を持って仕事なんかしたら、自分が追い込まれすぎるわ。

大手町の思い出といえば、サンケイビルのスタバで本を読むとか、JAの社員食堂とか、夜に持株会社の食堂でエビスビールを飲むとか、大手町ビルのJTBでポール追っかけ旅行の旅行の日程を組んでもらうとか、読売新聞の同級生に会いにいくとか、簡単にいうとサボりネタばかり。だから、提案内容を細部までこだわって考えられたんだろうな。大手町を運転しながらそんなことを思いました。

今、書いている本が人生においての「細部へのこだわり」の最後とします。まず、もう年齢的に無理。そしてこだわりを捨て、みんなと楽しく、いつもニコニコする方がいい気がするんです。とにかくこんな生き方、仕事観に疲れました。



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