君死に給うことなかれ

この人生は苦しみなり

この世に生まれ
齢を重ね
病を得ては
死にゆくなり

嫌なる者と出会いては
愛する者との別離あり
求めても得るもの少なく
煩悩の炎は燃え盛る

あぁ諸人はこれ
この世の苦しみより
逃げることあたわず

この火宅の世において
時には嘆き
時には傷つき
時には涙し
絶望の闇の淵に立つ

されど
君死に給うことなかれ
自らの生命絶つなかれ
年間3万を越ゆる
拠る辺なき魂たちの
後を追うことなかれ

死を選びて
道を閉ざせると思うな
死を選びて
道が開かれると思うな

生きてこそ
そう、
生き抜いてこそ
道は開ける

この世の人生は
あざなえる縄の如く
不幸もあれば
幸福も現れてくる

両者は表裏一体にして
ある幸福が
ときには不幸の種となり
ある不幸が
ときには幸福の種となる
そのようなものなのだ
 

その絶望の闇の中で
彷徨うことに疲れたなら
肉の眼を静かに閉じ
心の眼を開いてほしい

さすれば
かすかなる一条の光が
その身に
降り注がれていることに
気づくであろう

その光は
あなたを見守る
天使の涙だ

あなたの苦しみを
自らの苦しみとし
あなたの悲しみを
自らの悲しみとして、
たとえ
あなたに気づかれること
なくとも
涙を流して見守っている
聖なる存在があることを
どうか、知ってほしい

そしてそれは
目に見えぬ世界の
ことだけではない

この世においても
あなたを愛し
あなたを励まし
あなたを必要とし
あなたのために
涙を流している者が
あることを
どうか、もう一度
思い出してほしい

だから、、、
君よ、、
死に給うことなかれ

人は尊い存在ではあるが、
同時に
不完全にしか生きられぬ
存在でもある。
すべての者たちが
失敗や挫折を通して
新たな気づきを得て
よりよい人生を
生きようとしているのだ。

生きてこそ道は開ける
明けない夜はないのだから

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