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2024年の挨拶と告知

あけましておめでとうございます。主催の初雪緑茶です。
一昨年の11月に頒布した『新島夕トリビュート』から早丸一年以上が経ち、二度目の春に向かって新たな年が始まりました。
昨年は事実上沈黙していたGhost Lettersですが、今年は少し告知したいこともありますので、新年のご挨拶と合わせてnoteを更新しようと思います。
とはいえ告知だけでは寂しいので、2023年の振り返りも併せてこちらで。(告知だけ読みたい方は目次からジャンプしていただければ)


2023年の振り返り

まず2月には『新島夕トリビュート』の電子版を販売し始めました。
有り難いことに第二版まで完売しまして、その後もこちらの電子版を購入してくださる方が毎月いらっしゃり、出した側としては頭が上がりません。
同人誌に付きまとう課題として在庫を抱えるリスクとアーカイブスの維持の二律背反がありますが、取り敢えずこちらの電子版を出したことで最低限の責務は果たせたかなーと。
とはいえ「紙で欲しい!」というお声や、メルカリ等で定価を超える価格で販売されていることは認識しておりますので・・・。


また私・初雪緑茶個人としては、5月の文学フリマ東京でシャフト批評合同誌『もにも~ど』1号に寄稿しておりました。
アニメ批評といえどもノベルゲーマーな私は、奈須きのこ原案シナリオの『Fateラスアン』について、「自ら終わりを描くこと ──『Fate/EXTRA Last Enxcore』における「再演」と「シャフトらしさ」の逆説」という記事を書いております。
いささか値が張りますが、全332頁の魂の本となっていて、自身の『トリビュート』に続いてこのようなアツい企画に参加できたことは大変嬉しい出来事でした。そして『もにも~ど』はまだまだ続刊があるようです。私も・・・?


また6月には『はつゆきさくら』のSwitch版が発売されたり、

夏コミではこれまで中国語でしか読むことのできなかった新島夕氏へのインタビューが掲載された『AVG Spirits‼︎ 日本語特集号』が頒布されたりなど、ありました。


そして11月の文学フリマ東京では、『新島夕トリビュート』を作るきっかけの一つであった伝説的ノベルゲーム批評誌『ビジュアルノベルの星霜圏』が復刊し、現地で長蛇の列を作るなど大好評を博していました。(かくゆう私もこれまでは借りて読んでいたのみだったので、ようやく自宅の書棚にならべることができました)

改めてノベルゲームを語ったり、論じたりした本を求める人がまだまだ少なくないことを実感した光景でしたが、文フリでは『新島夕トリビュート』の後に続けと新たなノベルゲーム評論同人誌が同日に登場していました。
『トリビュート』に寄稿してくださった方も複数参加されているこちら『ビジュアル美少女』ですが、個人的には江永泉氏による「美少女ゲーム批評についての異端的論考:Mad for The Killing Joke」は冷徹な視座とそれでも三万字を超えて言葉を書き連ねてしまう衝動の両方が見て取れる重厚なものとして、こちらでも取り上げておきたいです。

『ビジュアル美少女』は次回の文フリに向けて、既に寄稿募集も始めていらっしゃるようですので、このブログを読まれた方で「我こそは!」という方は応募してみても良いのではないでしょうか。
同人誌を作って痛感したのが、書き手と読み手の循環構造を作ることの難しさで、今なお課題に思っていることであります。そういった意味では、それこそ『トリビュート』では描けていなかった新島夕作品の側面を描き出すような文章を私は心待ちにしていたりします。


また、『トリビュート』に共同編集として尽力してくださったhighlandさんと北出栞さんがともに大きな同人誌を頒布されていたことも印象深いです、

どちらも内容、デザインともに非常に力の入ったもので、同人誌でありながら「もの」として手に取るのが嬉しくなるような造りでした。
特に北出栞さんが主宰する『ferne ZWEI』はポスト・コロナのオルタナティブな音楽文化にフォーカスした一冊でありながら、音楽に疎い自分のようなノベルゲーマーにとっても必読な一冊となっていました。『ONE』リメイクの主題歌を作曲した佐藤純一(fhána)や、minoriの代表取締役社であった酒井伸和(現minori pictures)へのインタビューはもちろん、それ以外の記事にも『Kanon』や『素晴らしき日々』といった聞き馴染みのあるタイトルや、もっと広く美少女ゲーム文化を背景とした音楽の現在について語られたものも多く、その空気感が非常に心地よいものでした。

そしてなりよりも、年末の怒涛の告知ラッシュに慄いたのは私だけではないでしょう。
まず文フリ冷めやらぬ11月15日にはKey最新作『アネモイ』が告知され、シナリオとして新島氏が参加していることはもちろん、原画にきみしま青氏が参加されていたことに熱狂しました。

座組としては『サマポケ』から基本的に引き継ぎつつ、Keyの象徴的存在である麻枝准が『ヘブバン』にかかりきりになり、完全にPCノベルゲームからは手が離れた状態でのフルプライス作品としては初であり、Keyとしては外せない一作となるでしょう。(ビジュアルアーツ全体でも馬場社長が引退し、今年は勝負の年になりそうです)
とはいえ個人的には、オーラスを含むメインライターとして大任を負っていた『サマポケ』のときよりも、大いに暴れる新島夕のシナリオが見てみたかったりしています。

そしてド年末の12月27日。

「来年は4つぐらいまとめて公開されそうです」と一昨年の11月に呟いていたのを、まさか本当に実行するやつがいるか! と叫んだのは私だけではないはず。
思いの丈をここに書き連ねることは長くなるためやめますが、少なくともこの四作が世に解き放たれるまでは、私も作品を読み、それについてなにかを書くということを止めずに歩き続けようと思います。

告知

新刊企画してるよ!

意外と書き始めてみると長く書いてしまうのが私の悪い癖ですが、ようやく本題の告知です。
とはいえ具体的に言えることは少ないのですが、

Ghost Lettersは今年、新刊を準備しています!!!

『新島夕トリビュート』とは違い、誰か一人の作家を特集する、といった形ではないのですが、ノベルゲームに関係するものにはなるはずです。
しかし、ただノベルゲームを扱う総合誌、というだけでは上に挙げた『ビジュアル美少女』さんが素晴らしいものを出している・・・どうすれば・・・・・・と悩んだ結果、少し変わった趣向を凝らしたものになりそうです。
正直まだ寄稿者にお声がけしている段階ですので、確かなことは言えないのですが、(変わる可能性の方が高いという前提で)次のような内容を予定しています。

  • 「王様は裸である」

  • TYPE-MOON

  • ノベルゲームを読むという体験の時間性について

  • 『新島夕トリビュート』への解題
    etc……

まだまだ寄稿者は増えていく予定で、最終的には『新島夕トリビュート』と同じぐらいか、少し小さいぐらいのボリュームにできたらと思っています。
今度は私・初雪緑茶が単独で編集する予定ということもあり、より個人色の強いものになるかもしれませんが、『トリビュート』を手に取ってくださった方や、新たな読者を獲得できる開かれた内容に仕上げていくつもりです。
またTwitter(現X)の方で告知していくと思いますので、引き続きウォッチしてくださると嬉しいです。

紙の再版考えてるよ!

それに合わせてもう一つ告知です。
上でも書いたように、今でも『新島夕トリビュート』を紙で欲しいというお声があることは認識しております。私自身、本はなるべく紙で欲しい人間なのでわかります、わかりますとも。
とはいえ体感では、欲しい方のほとんどには行き渡ったな、という実感もあり単独での再版は難しいという判断でした。

ですが新刊を出せるなら話は違う。
同じタイミングで少部数にはなると思いますが、第二版の二刷をご用意できたらと考えています!
紙で欲しいんだけどな~、最近知ったけど、紙じゃなきゃ読まないな~という方は、今年の後半ぐらいまでお待ちいただければ幸いです。

ではでは、引き続きGhost Lettersをよろしくお願いいたします。


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