大魔王様がヒロインになるまで♯1

なんだここは、不思議な感覚だ
まるで上も下も無いようだ

「ほぅ…預言者が言っていた勇者とやらはお前か」

勇者?一体なんのことを話しているのだろう

「こんな所へ来たのだ…ただの人間ではなかろう
さぁ目覚めてみよ…勇者」

だから一体なんの話し……

「え?」

「やぁ勇者よ我の名はギルティ」

まさかさっきまで喋ってたのって、この女の子?

「そなたの名を聞いておこう…名は何という」

「えっと五十嵐和真です」

「そうか…では和真......コロシアイヲハジメヨウ」

はっ何?急に怖くなった殺し合い?え?

「行かぬのならこちらから行くぞ」

「ちょっと待てーー!!」

「なっなんだ急に」

なんだじゃないよ急なのはそっちだよ、いやそれ以前に

「俺は勇者じゃない!」

は?何を言っているのだこいつは、普通の人間はこの城には入れないのだぞ!なのに勇者じゃないだと

「ふっこんなところまで来ておいて命乞い......」
(ぐぅううううう)

ん?ぐぅううううう?

「あっお腹なっちゃった」

ズコー

「まっまぁ良い腹が減っては戦は出来ぬと言うしな食事の用意ぐらいはしてやろうこっちへ来い」

「あっはい」

いい人?

「好きなだけ食べろ」

凄い豪華な食事だな〜

「いっいただきます」
パク

なにこれうま!凄くジューシーなのに柔らかい、いくらでも食べれそう
パクパクパクパクパク

「あっははははは!お前毒が入ってるとは思わないのかあはははは!」

「えっ!毒入ってるんですか?」

「いや入っていない、あまりに無防備だったからな」

たっ確かに無防備なのか?でもこんないい食事をしていると前の俺?がやっていたことが馬鹿みたいに思えてくる
ガタガタガタ

「む?どうしたのだ」

「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙」

「いやほんとにどうした!」

「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙いいよなお前みたいな金持ちは!俺たちみたいに働かなくてもいいんだからよ!!金持ちは苦労なんか知らないで生きてんだから俺たちの苦労なんかわかんねぇよな!!」

「あっえっとお前......苦労してんだな」

「お前も同類だよ!こんなうまいもん毎日食ってるんだろ、同じじゃねーか💢俺たちは休みなく働いて朝から夜まで仕事仕事仕事の繰り返し、娯楽なんて一切なく暮らしてんだよ!」

「おっおう......」

この後2時間和真は泣きながら愚痴っていた......

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?