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リトルトゥースの読書感想文「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」

こんにちは、リトルトゥースです。

リトルトゥースという言葉の意味を知らない方にご説明します。オードリーというお笑いコンビはご存知かと思いますが、オードリーのオールナイトニッポンのリスナーのことをリトルトゥースと呼びます。

なぜオードリーのラジオを聞き始めたかは覚えていないですが、若林の結婚報告の回から聞き始めた(偶然)のでリトルトゥース歴1年と少しといったところでしょうか。

オードリーと言ったら、ピンクベストにテクノカットの風貌を持ち、意味わからないギャグを備えているいわゆるキャラ芸人の春日のイメージが強く、どちらかといえば若林は地味な役割という一般的なイメージかと思います。しかしラジオの若林はテレビでは見られない毒舌とマシンガントークに魅了されます。

ラジオを聞くことを重ねる中で、若林という人の稀有さを感じずにはいられなくなります。芸能人やアスリートなど一般人から程遠い世界で活躍する人は、圧倒的なセンス、強靭なメンタル、そして生まれ持った強運を持っているものと思っていました。しかし若林こそ「人間」そのものを体現していると思いました。

こうしてオードリー若林(あと春日)の虜になった私は2021年一発目の読書にこの本を選びました。

若林の旅行記です。

読書好きな私はアウトプットの一つの方法として、読んだ本をnoteで紹介していきたいな〜と2021年のゆるい目標にしています。

難しい本のレビューはハードルが高いので、まずかリトルトゥースとしてこの本を紹介したいと思います。



内容は、若林がキューバ、モンゴル、アイスランドを一人旅する様子を描いたエッセイ。現代の資本主義を正義とされた東京を「灰の街」と呼び、アメリカと国交回復したばかりのキューバに色を求めるように旅立つ。誰も自分のことを知らない土地へと。

そもそもなぜキューバ?モンゴル?アイスランド?芸能人が行くとこ?
そう、若林の旅のチョイスとその理由にはある特徴がある。

一般的な旅行先の決め方は、きれいな景色や体験、美味しい料理にあこがれて行くことが多い。特に最近はInstagramで誰かが行った場所、見た景色にあこがれて「自分も同じ体験をしたい」という人が増えてる。要するに自由意思が少なくなっている。

それに対して若林は日本から遠く離れた全く違う場所に住む人のことを想像して、「新自由主義の手が及んでいないキューバの人たちは幸せなのだろうか」
「遊牧民の気持ちになってみたい」
「年越しに花火をぶち上げるなんてどんなクレイジーな国民なんだろう」
このような自分とは違う人々への理解の探究心から生まれている。
ラジオなどでもこのような発言は多い。

若林は基本的に冷淡な人間であると思っている。流行りに乗らない、熱い言葉は響かない、人間関係は面倒くさいと思っている。多分。
でも決して悪い意味でではない。むしろ好き嫌いなくすべての人を平等に見ていると思う。日本人でもキューバ人でも。

「日本人は世間を信じている」という言葉が印象的だった。
世間=空気とも言い換えられる。
確かに日本人は空気・場を重んじる。個性より調和。
日本人的であることは間違いないし良い側面もあるだろうけど、全員がそうではない。競争や疲れているなら正直に疲れている、と言っていい。定義された幸せを求めなくていい。そもそも幸せなんて誰が決めるの?そんなメッセージが込められている。


第一線で活躍しながらも僕たちと同じように悩み苦しみ光を見出そうとする若林の隣で、今日も春日は変な格好をしながら、変な事を変な風に言っている。

おわり

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