システム予算を作成する時考える事

最近色々な方のシステム導入の話題を目にしますが、企画される時どんな事考えてるのかなぁ…なんて思ったのでまずは自分から発信してみる。

先に言っておきますが、会社環境や緊急度、その他諸々事情がありますのでこのケースが必ずしも正解とは思ってません。使えそうな部分だけ持ち帰って下さい、そして読んだ方も是非何らかの所でアウトプットして下さい。

後、包括予算としてシステム予算を取るってケースは対象外です。
あくまで単体のシステム予算を取るケースだと思って読んでください…。

課題について(導入目的とゴール)

まずは何故今回のシステム導入を進めたいのか?について現状の課題から導入目的とゴールの設定を考えます。
というかシステム導入を検討する以上は最低限この辺はボンヤリ見えているはずなので、何故これをやるの?最終的にどうなるの?はまず最初にイメージする部分じゃないかなと思います。

比較する製品やサービス

先程の課題に対し、企画段階では複数製品の検討→導入したい旨を持っていくケースが多いのですが、自分の場合だと2つのパターンで製品比較を行うケースが多いです。

松・竹・梅型

既存業務の改善のような課題に対して費用を何処までかけて貰えるか不明なケースの場合は、下記みたいに3案程度でプランを作成する事が多いです。

松:費用をしっかりかけて課題を解決するプラン
竹:松ほど費用をかけずに一部運用でカバーして課題解決するプラン
梅:基本的に運用でカバーして少額費用で実施するプラン

経営側としては費用は当然安い方が良いに決まっていますので竹、梅プランを提示する場合は松と比較した時のデメリットを明確にしてリスクも許容してもらう事をセットにしないと後で後悔します…大事ゼッタイ!

後、こっちのタイプで提案する場合は企画段階で概ね費用方向性が決まるので製品選定も兼ねた進め方をする事が多いですね。

ガチンコ比較型

法改正に伴うものや、ある程度の費用を許容されている緊急性の高い業務改善の場合は、費用面にあまり差を付けずに今回の要件にフィットしそうな2~3案程度のプランを作成する事が多いです。
ただその中でもある程度本命のプランは用意してそこを主軸に今回の要件に対しFit&Gap表を作成→提案にもっていく事が多いです。

こちらのタイプで提案する場合は企画段階で製品まで確定はしないケースも多く、費用感のみ一定の了解を得ることを目的に進めていきます。
あくまで自分の本命でしかないので企画の方向性が決まり、関連部署と要件を進めていく内に別のプランの方がFitしてそちらに決まる…なんて事もある訳ですが…。

選定にあたって他にも考える事

企画にもよりますが、ある程度の費用をかける場合は企画時に選定まで行う、行わない関係なく、製品・費用ベンダーの導入実績や会社情報なんかも一緒に出せるように調べるケースが多いです。
特にSaaS導入の場合は、まだまだ設立から若い会社も多いのでリスクになりそうな情報は出来るだけ出せるように与信関連サイトや会社HPのIR情報などを最近は事前準備しています。

費用感

選定製品・サービス部分でも触れている費用感ですが以下のような要素を自分は考えるようにしています。

キャッシュがどの位出ていくのか?

この企画を通す場合、今期どの位のキャッシュ(現金)が必要なのか?を説明できるようにします。基本的にはイニシャル+ランニングコストを含めた見積額ですね。
キャッシュの額によっては経理とも下打ち合わせをしつつ、リースや分割払いが可能なのか?という点もベンダーと確認して説明できるようにしておくと良いかもしれません。

ランニングコスト

どの製品・サービスを利用した時に毎年(毎月)どの程度の費用が発生するのか?という部分です。経営側は企画が実施となった場合、契約解除までこの費用が毎期発生する事になりますので一番シビアに見る部分になります。

特に上ブレするのを嫌う箇所になりますので、不安要素があればその部分も別明細として追加しトータル金額を弾くようにしています。

イニシャルコスト

どの製品・サービスを利用した際に初年度のみどのくらい費用が発生するか?という部分ですが、今期だけの費用と思いきや、オンプレや高額の作業費については固定資産や繰延資産扱いとして来期以降にも影響するケースがあるので、必ず経理側と裏取りするようにしています。
特に取締役クラスへのプレゼン時はPL側の影響だけでなく、BSのインパクトも説明できた方が有利に話が進められるんじゃないかと思います。

費用対効果などの指標

当然、システム導入による費用対効果等の各指標が出せるのがベストですが単純な人件費削減的コストダウン効果は最近は控えるようにしているかも。
それを書く位であれば効率化によって既存体制で事業拡大時でも対応可能である事を上手い事説明できる指標とかを考えるように最近はしています。

スケジュール

当然ですが、お金だけでなく人的なリソースも消費しますので大まかなスケジュール感は必ず付けるようにしています。
法改正などENDが決まっている場合はENDから逆算して引きますし(大体スケジュールがタイトだと気付き焦る…)、特にENDが決まっていない場合は方向性確定から1Week1コマで各仮定に何コマ必要かを引いていく形で作っています。

アサインするメンバー

システムだけの企画であれば楽なのですが、部門に跨るような内容の場合は当然関連するメンバーを招集しなければならないので
1.適正な人の選定(若干本人と事前裏取りしつつ…)
2.選定する部署へのお伺い(正式なアサインは企画説明後だけど…一応)
この2つは企画説明前のアンオフィシャル時にやっておく事が多いですね…。
もちろん正式に企画とした後は儀式的に改めてご報告もします。

最後に

予算作成時に考える事としてパッと思いつくのはこんなものかな…ちゃんとまとめてみると至極当たり前の事過ぎるけど、細かい部分は結構特色でてるんじゃないかと思います。
目的とゴール部分は殆ど触れずに書いちゃいましたので、この部分と他にも思いついたことがあれば同様に加筆しようかなと思います。


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