さよなら、わたし。さよなら、あした。【短編小説】
誰かがわたしの隣に座ってね、スッ、と手を伸ばすの
伸ばされた右手が、わたしの喉元を捉える
わたしは内心ドキドキしながら、だけどすごく期待しながら、少し冷たいその右手を感じる
左手もまた、添えられるようにすっと伸ばされ、ゆっくり、ゆっくりと指に力が入っていく
わたしは頭の中が真っ白になって、まるで宙に浮いてしまいそうなほどフワリとした感覚に身を委ねるの
トクリ、トクリと音を立てていくわたしの心臓が、次第にボルテージを上げていく…
ああ、これでいい
これでいいんだ、って頭の