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「わからない」で止まるとき

障害者雇用・ダイバーシティ、在宅勤務のコンサルティングや人材紹介をしております、にわと申します。

仕事仲間、家族、友人。関係性はそれぞれ異なっても、うまくいかないと嘆くとき、私が厳しいことを言う瞬間があります。

知らないことは、あたりまえ。

最初に所属した医療業界でも、その前の学生時代でも、そのことを学びながら、無知にずっと立ち向かってきました。

そもそも私も適当な人間です。

仕事が好きでも、ずっと全速力で走れるわけではないのが人間。

そして、どんなに有能でも、なんらかの理由でいつかそれが通用しなくなる日が来ることもあります。

そこで生き残り、活躍し続ける人かどうか。人材採用の段階でも、ここを意識する人も多いはず。

自分の残りライフがゼロになった日でも、復活したら第一に仕掛けることはこれだと決めています。

自分の無知に抗え。

精神論で終わりにするつもりはありませんが、本日はそんなお話。

わかりません できません

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「それはよくわからないからできません」。

つい言ってしまうときもあります。

書き出しで調子こいてそんなこと言う?

「よくわからない」までは逆に伝えるべきかもしれません。知ったかぶりをするほど無責任なこともないからです。

しかし、こんな場面ではいかがでしょうか。

―病院の受付にて―
「首と、歯と、背中が痛いんですけど、何科に行けばいいですか」

「いや、ちょっとわからないので、ご対応しかねます」

あなたが受付担当だったら、そんなこと言えるでしょうか。

わからないと言われた患者さんが失意のうえに病院の外に出て、助けられない状態で倒れてしまうかもしれません。

「私の一言、一挙手一投足が相手を追い込んでしまうかもしれない」

その思いで、仕事をしてきました。

これは少々極端な話かもしれませんが、意外と似たようなシチュエーションに出くわすことは多いはず。

ちなみに、首と、歯と、背中が痛いと現場で言われたら、循環器疾患を頭に思い浮かべ、わりと緊急度は高いフラグを立てて対処します。医療現場でなくても危険度が高いほうから順に対処していくのは同じですよね

初見の資料を見せられて「いや、わかりません。できません」って、つい言いたくなります。見たこともないような法令を読み解いて、行政に届出をしなければならないようなときも、逃げだしたくなります。

そこで「できません」と言って投げ出してしまうことって、医療でなくても、相手を追い込んでしまうことにつながりませんか。

教育や人材の仕事であっても、相手の人生や経営を追い込んでしまうきっかけになるかもしれないという思いがあり、自分の中で

「知らないから、わからないからできない」は禁句にしています。

とりあえず調べる、尋ねる

毎日生活していると、知らないことがどんどん出てきます。

ニュースに出てくるこの人、はじめて見た。
略語が出てきてわからなかった。
理由はわからないが、スマホの電源が勝手に落ちる。

そんなときに、どうしますか?

なんとなく気にはなるが、放っておく。

ググってみる。

人に聞いてみる。

対処法はそれぞれですが、調べたり、尋ねたりしなければ、その先にはすすめませんし、損をすることも多くあります。

電源が落ちる理由を自分なりに調べたら、案外無償修理の対象だった・・・なんてこともありますが、直らないと早合点して購入したら結構な出費です

大昔はそれでよかったのかもしれませんが、情報収集力が人生を左右する時代。その道のプロでも、知らないことはあたりまえだといいます。

知らないときにどうするか―自力で調べるか、人に尋ねるかの二択ですね。

調べられない、質問できない

しかしながら、「調べ方がわからない」「質問できない」という声を時々耳にします。

これに関しては、一定程度鍛えることが可能なので、社会人だから、学生だからと関係なく、トレーニングしましょう。

調べるときには、もちろんインターネットで検索するのが手早いわけですが、どこから情報を引っ張るかがカギになります。

そこで、3つのことを意識しましょう。

1)最新の情報かどうか
2)正しそうな情報なのか
3)正統性があるか

1に関しては、データや記事の日付を確認します。同じ年度とか、調査された最新のものかなどを確認しましょう。

2に関しては、自力では判断が難しいこともありますが、ある程度コツもあります。まずは「個人の感想なのか、データに基づくものなのか」「公式の情報であるのか」を確認しましょう。SNSで「~って聞いた」などと書かれている場合や、データの出所がはっきりしない場合などは情報として不適切かもしれません。マスメディアからの引用である場合も、安心せず確認しましょう。

3については「誰が発信しているのか」が重要です。e-statなどから確認できる国・自治体の統計、研究機関の権威ある論文など(論文も時と場合によっては信憑性に欠けるので一概にはいえません)、発信者と権威性が明確である場合は一定程度信頼できるでしょう。

「質問できない」という悩みはその多くが

質問するタイミングがわからない
質問が的外れかどうかわからない
なんて聞けばいいのか・・・

というところです。

その場合、「自分が調べた部分を出し、『これで方向性があっていますか』と確認するようにしましょう。あるいは、全く歯が立たないということを誠実に伝えます。

初動で伝える方法は、チャットやメモなどを選びましょう。直接語りかける、電話するなど時間的拘束のあるものは最初の声掛けでは避けます。相手のスケジュールを可能な限り把握するのも忘れずに。

「お忙しいところ失礼いたします」のクッション言葉はデフォルトなので、必ず入れます。私は「おいそ」で辞書登録しています。直接レクチャーしてほしかったら、短時間と決め、アポをとってもよいでしょう。

そこで相手にしてもらえなかったら、聞く相手を変えましょう

方向性を確認された相手が誠実ならば、この質問方法であれば、「匙を投げたわけではないこと」が伝わり、内容を確認して、仕事の進め方を助言してくれる可能性もあります。

知らないことは、あたりまえ

スタートアップ企業で在宅勤務をしていると特に、

調べる・質問することができない人は、仕事で行き詰まると感じています。仕事ができるな、素敵だなと思う同僚は、必ず調べて、質問して仕事をしています。

わからない側の歩み寄りは、調べて質問すること。
依頼する側の歩み寄りは、それに応答し、導くこと。

このサイクルがないと、チームの活気が削がれてしまい、面白くありませんし、メンバーも伸びていきません。

知識がないだけでなく、お互い他人ですから、お互いのことも、どこまでいっても知らないのがあたりまえです。食い下がっても教えてもらえないときは、頼る相手や身を置く場所を変えるべきときかと、個人的には思います。

そして、自分のことも、案外知らないものです。

自分の無知に挑むことは、自分に歩み寄って育ててやる行為ともいえるかもしれません。知らないからできないと断じてしまうのは、自分を見捨てる行為とも思えるのです。

知らなかったら、わからなかったら、5分でいいから調べてみませんか。

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