見出し画像

#22 構造化とABAは全子育てに有効です

3月に2冊目の著書を出された発達支援界隈の有名人、平熱先生の名言

Xは見る専門、フォロワー0人の私も言わせてください、発達支援は全人類の子育てに有効です

放課後デイで働きながら2人の子育てをしてきて、これって障がいのある子に限らず、あらゆる子育てに有効だよね、と感じてきた技法やテクニックがたくさんあります。

その中から、特に「子どもと関わる全大人に知ってほしい!」と思う手法2つについて、基本的な考え方を紹介します。


全大人に知ってほしい手法その1:構造化

構造化とは、「わかりやすくする」こと。そのためのハウツーの集積です。

知的な発達に遅れがあったり、自閉症の特性から認知手段に独特さがあったりする子どもたちにとって、多数派向けに作られた社会や学校は「わかりにくい」場所になりがちです。

登校しぶりや課題からの逃避、破壊や自傷といった極端な表現行動なども「わかりにくさ」の中で生活することから来るストレスが根っこにある場合も多々あります。

そうした「問題行動」ばかりに注目して、子ども本人をどうにかしようと考えがちですが、その子を取り巻く環境を「わかりやすいもの」に変えることから始めませんか、というのが「構造化」の考え方。

発達支援でよく行われている例だと、

  • 写真や文字でスケジュールを「見える化」:時間の構造化

  • 遊ぶ系の活動時と勉強系の活動時は部屋を変える:空間の構造化

  • 作業の流れを文字と写真で示す:手順の構造化


障がいの有無に関わらず、家の中でできる構造化の例としては

  • 子どもの手の届く所に本や服を置く

  • 脱いだ靴を置いてほしい場所にシールを貼る

などなど。

構造化の考え方が身につくと、子ども本人にあれこれ言って心を変えようとするのではなくて、環境を変えることで、自然とそう動くように導くことができるようになります。

あれしなさい、これしなさいと毎日言う代わりに「どこに何を置けば自分でやるようになるかな?」と考えられるようになると、日々のストレスがゲーム感覚に置き換わり、少し楽しくすごせるようになると思います。

全大人に知ってほしい手法その2:ABA

何度も繰り返されている困った行動、減らしたい行動、に対してどうリアクションしていけばいいの!?と悩んだ時に役立つのがABA(応用行動分析)の考え方です。

関わりとは心と心の交流で、魂のふれあいを通して子どもは育っていくのです
心を入れ替えさせることで、行動は自然と変化します

なんてフレーズも決して間違ってはいないと思うのですが、心や魂は目に見えないし、日々の具体的な悩みや課題を解決する場面では、残念ながらあまり役に立ちません。

表情、視線、仕草、言葉や身振り手振り。
人の心は「行動」として意識無意識に表現され、誰かの心へ届けられます

具体的な課題解決場面では、どんなに頑張っても推測しかできない「心」は一旦考えないことにして、表に出てきた「行動」にだけ注目して手を打っていくことが効果的です。

  • 思い通りにならないとすぐかんしゃくを起こす

  • 遊びのつもりで周りの人や物を叩く

こうした減らしたい行動が見られた時、変えなければならないのは「その子の心」ではなく、「行動」です。

行動を分析し、行動に干渉し、行動を変化させる。

そのためのテクニックが「ABA(応用行動分析)」です。

ABAの適用と具体例について、今週は色々と書きたいと思っています。


以上、障がいの有無に関わらず全子育てに有効だと思う考え方「構造化」と「ABA」についての紹介でした。

ではでは。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?