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#42 手に取る本に暮らしがあらわれる【花のベッドでひるねして】

こんにちは。にわのです。
子どもとの関わりや発達支援についての内容を中心に毎日更新。
日曜日は自己紹介のつもりで、自分にとって大切な本の紹介をしています。

今日はこちら。

私にとっての読書体験

大好きな物語に出会うと、あらすじよりも
登場人物たちがその世界で動き回っていることの方が大切で。

「この人たちのことをずっと見つめていきたい」
と、思いながら、
残りページが減っていくのを寂しく感じて読み終える、
の繰り返し。

なので、小さな頃はシリーズものが好きで、

ハリーポッター
シャーロックホームズ
夢水清志郎
怪人二十面相
ダレン・シャン
グイン・サーガ

彼らが本棚でいつも自分を待っていて、
図書室に行けばまだ見ぬ彼らの物語が並んでいて、

本を読めない(読んでいない)時間も、
そんな事実が心の中にずっとあり、
学校生活の支えになっていたような気がします。

変化

学生の頃から、「シリーズ」から「著者」に興味が移り始めました。

この人の文体にもっと触れたい!
この人の書く話が読みたい!

子ども時代よりはもう少しエンタメ消費的な気持ちから

伊坂幸太郎
有川浩
本田孝好
三浦しをん
村上龍
森見登美彦
ダン・ブラウン

著者縛りで片っ端から読む
みたいな読み方をしていた時期。

あり余る時間と広がり続ける世界の中で
物語の起伏や、ストーリーテリングの妙、
みたいな所を求めていた頃。

変化2

子どもが生まれ、一冊読み通すのに工夫や根気がいるようになったこともあるのか、
数年前からは書いてある内容というより、
「どんな風に書いてあるか」が気になるように。

文体、言葉のリズム、本の装丁やフォント、印字のスタイルなど
手触り耳触りの心地よさで読む本を選ぶようになりました。

村上春樹
吉田篤弘
小川糸
宮下奈都

本の途中を開いて、何ページかめくるだけでも
満足できるようになったのもこの頃。

よしもとばななさん

この感じで言葉が紡がれていく中に浸っていたい
この本を触っただけ、本棚にいてくれるだけで良い気分になれる

自分の中のそうした本の代表的なものが、
『花のベッドでひるねして』

あとがきでばななさんも書いておられるように、
ちょっと怖かったり暗かったり、
負のトーンが強めな物語なのですが、
それだけに、裏腹なタイトルが胸に響きます。

うっとりと花のベッドに寝ころんでいるような生き方をするんだ。もちろん人生はきつくたいへんだし様々な苦痛に満ちている。それでも心の底から、だれがなんと言おうと、だれにもわからないやり方でそうするんだ、まるで花のベッドに寝ころんでひるねしているみたいに。

よしもとばなな 『花のベッドでひるねして』より

難しいからこそやるんだ、でもなく、
そうした方が得だからオススメです、でもなく、

「あなたの元々を大切に生きていくとは、こういうことですよ」
とおじいちゃんが主人公に語りかける言葉。

私もこんな生き方をしたいし、
誰かに、こんな生き方をするんだよ、それでいいんだよ、と言える大人でありたい。


違うことをしないこと

同じおじいちゃんのセリフに出てくる
「違うことをしない」
というフレーズが種になったのかな?という本

こちらは、ばななさんが自分自身の言葉で書く
エッセイというか、生き方指南というか
です。

いま
退職・引っ越し・移住と人生イベント連発の時期にいるのですが、

常識や将来設計や「あたりまえ」にとらわれすぎずに、
今の自分たち家族が「これだ」と心で思える選択肢をとっていきたい。

「違うこと」をしないことで、
花のベットの昼寝おきみたいにご機嫌に
暮らしていきたい。

物語的に浸りたい時は「花のベッドでひるねして」
もう少し説明されたい気分の時は「違うことをしないこと」

2冊大切に手元に置きながら、
これからの生活を作っていく指針にしたいと思っています。


ではでは。

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