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霜月 和菓子のある生活 「村雨」

「村雨」を知ったのは、「時雨」という言葉を調べていたときのこと。
わたしは毎月OKOLIFEという、月ごとに1つのテーマとそれをイメージしたお香を送ってくれるサービスを利用している。その11月のテーマが「時雨」だった。(OKOLIFEについてはマガジン「香りのある生活」を読んでみてください)

聞いたことはあるけど、どんな意味だっけ?
ふと疑問が浮かんでネットで検索してみたのである。


主に秋から冬にかけて起こる、一時的に降ったり止んだりする雨である。


なるほど。

今時期に降る雨のことなのか、、、そう思いながら下にスクロールしていく。
すると、ある一行に目が釘付けになった。

大阪府泉州地域の銘菓とされ、村雨とも呼ばれる。

なんと。和菓子にたどり着いてしまった。甘いものとお茶が大好きなわたしには見逃せないワードだ。それにしても、泉州地域、、、?結構近いか、、、というより、どこかで見たような、、、

あ、展示のDMを送った友人の住所だ。そういえばあそこって泉州地域じゃなかったっけ?そう思って軽い気持ちで友人に連絡してみたら、案の定、地元のお菓子だと返ってきた。

そんな話をしていたのもすっかり忘れていた、展示当日。友人は展示を見にきてくれ、帰りにそっと一つの包みを手渡してくれた。
なんと件の「村雨」だった。

早速今朝、一切れ緑茶とともにいただくことにした。
見た目からして今まで出会ったことのない和菓子だ。ようかんのような細長い包装紙と程よい重量感。開けると、プラスチックの小さな白いナイフと、まるで白と茶色が混じったような柔らかい色の「村雨」が現れる。

すんなりと入るナイフに感動しながら、早速口に運ぶ。
味も食感も今までにはない感覚だった。
ホロホロとした柔らかい口ざわり。あんこが中に入ってるわけではないのに、全体が満遍なくあんこの甘みを感じる。甘過ぎない、上品な味わいだ。最後は、すうーっと溶けて消えていく。その変化具合も、なんだか面白い。見た目はシンプルなのに、ユニークなお菓子だ。

なんとも不思議な出合い。和菓子の、言葉の奥深さを改めて感じるひと時だった。
出合わせてくれた友人に感謝しながらー。

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