庭ぐらしダイアリー in/out door

昨日、ふと思いついて、部屋の中にツェルトを張った。
ツェルトは、昔ウルトラライトに傾倒していた時に買ったものだ。
それから、一度キャンプ場で使ったきり、押し入れにしまわれたままだった。

ペグとか打てるわけじゃないから、ドアのちょっとした出っ張りに引っ掛けたりして、なんとか中に入れるようにする。
ツェルトの横には、そこらへんにあるPP紐がだらりと垂れている。初めてやったキャンプ場で、周りの人に助けられながら立てた名残だ。立て方も知らないくせに、よく一人で北海道の山奥のキャンプ場まで行ったものだ、と自分で振り返っても呆れるが、とにかく全てを持って、身一つで旅したかった。

とりあえずマットを引いて、シュラフも入れる。
外で寝るときのように、硬い床(マットをひいてもちょっと硬かった)が懐かしい。決して心地よくないのだけれど、それはそれでなんかいいかなと思ってしまう。

枕元には、最近聞いているポッドキャストを流す。
楽しい話が波のように寄せては返す。結局は、自分がどういう世界を見たいか、なのだなあとしみじみ思う。わたしが見たい世界と、相手が見たい世界が全然違って、ぶつかった過去を思い出す。お互いがお互いの価値観を理解できなくて、でも分かって欲しかったなあ。それはとてもとても大変な作業で、理想通りにはいかないけれど、希望があったからしぶとくアプローチし続けていた。

常に自然の中で、関係性を考えている。今もその流れの先にいるだけで、昔から変わらない。

部屋に簡易的にツェルトを張っただけなのに、なぜかワクワクする。
まるで秘密基地を作ったように楽しい。

わたしの部屋の自慢は、空がきれいに見えることだ。
住宅街だから、向かいは道路だし、横には他の家がビッシリ並んでいるのだけれど、夜になるとびっくりするくらい静かだし、月もきれいに見える。
日中は太陽の光が部屋全体を包む。

「外」と「中」が入り混じる世界。
ちょっとした変化が面白い感覚を、過去の記憶を呼び覚ましてくれる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?