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庭ぐらしダイアリー hatake day4

今日は、心強い友人JさんとYさんと連れ立って畑へ行く。3人揃ってちゃんと作業するのは初めてだ。
2人がウキウキしてくれているので、こちらまで楽しくなってくる。
「楽しい」は共鳴するのかもしれない。

車で行けるってこんなに違うんだ。
40分かけて歩く坂を5分くらいで一気に登っていく。
文明ってすごいな。

そうこうしてる間に畑に到着する。車を運転してくれているJさんが、畑に着く前に、「はい、これ!」とぽんっと袋を手渡してくれる。
開けてみると、中には首に巻けるタオルと首掛け式の小さな扇風機が入っている。
「え!?」
びっくりして大きな声が出た。
「noteを読んで、暑い暑いって書いてたから、大変なんやろなって思って」
さりげなくこういう気遣いをしてくれる人って本当にすごいな、、、
そう思いながら、初めての首掛け扇風機を首にかけてみる。
最近女子高生とかがよく持ってるなーとか、流行ってるなー、くらいで、正直言ってちょっと馬鹿にしていた小型扇風機。
スイッチを押すと、風が流れてくる。
ささやかな風、と侮るなかれ。これが結構涼しいのだ。いいな、これ。数分で、その良さに気づいた。作業していても全然邪魔にならないし、外仕事の人にもいいかもしれない。

「燕だ!」
突然Yさんが叫ぶ。鳥好きのYさんは、鳥のことに関して抜け目ない。素早く見つける。
わたしが鳥に興味を持ち始めたのは、間違いなくYさんのおかげだ。

そうこうしながら、作業開始。
わたしも初心者だが、なんとなく昨日聞いた話を2人にしながら雑草をとって石灰をまいた。
昨日見た通り、雑草は少ない。
3人で草をとっていると、
「せっかくきたのに、やること少ないじゃない。わたしのところの雑草取りにくる?」
と通りすがりの畑を借りてる女性が声をかけてきた。
ぱっと見バッチリ装備完璧な3人組(しかもわたしは足袋を履いていた)が、ほとんどない雑草をとっている。
パワーが有り余ってると思われているらしい。
横の敷地の方がボウボウと伸びてしまった雑草刈りに手間取ってるのをみると、手伝ってあげたい気持ちになった。
が、今はとりあえず自分たちの借りてる畑のことをせねばならない。

石灰は機械もあるけれど、せっかくなので、手で混ぜてみることにした。
3人でクワを片手に、畑を耕す。
今日は、天候に恵まれて、晴れ。
くもりの方が嬉しかったのに、とちょっと恨めしげに空を見る。
汗をかき、水をごくごく飲みながら、太陽の元でクワをふるった。

クワで土の中に石灰を混ぜ込み、土をならすと、作業した感があって気持ちいい。
汗と、太陽と、土と、山と、そこを通り抜けていく風。
大人の夏休み、みたいだ。

作業が終わったら、二人が塩飴やらポテトチップスをバッグから出してくる。
完全に何も用意してなかったわたしは、しまったと思った。
こうやって、楽しい時間を過ごすための工夫って大事だなあ、と改めて思った。
次は楽しめる何かを準備したい。

一人で黙々作業する時間も悪くないけど、みんなでやるのは楽しい。
昨日も書いたが、わたしの「庭」の目指したところはそこだった。
人が集まって、草木土に囲まれながら、太陽の元、楽しい時間を過ごす。
それこそ「庭」だなあと思っていた。
わたしが目指していたのはドイツの「クラインガルテン」(ドイツの市民農園、安く借りれて休日にこの農園で過ごす人が多い)だったが、日本でも(しかも近場でも)できるとは意外だった。
一周回って、地元でこういう時間やつながりを持てるとは思っていなかった。
まだスタートラインだが、すでにちょっと感動してしまう。

休憩していると、畑先輩のおじさま方にも出会った。みなフレンドリーで、気軽に声をかけてくれる。土日は特にいろんな方が作業しにくるので、適度に賑わってる感じがいい。こういう時間が持てるとみんなもいいんじゃないかな、と思った。興味があるなら、ぜひ見にきたり、この時間を共有できたらいいな。
あまり移動ができない、この状況だからこそ、外での時間を思いきり楽しもう。

「夏は暑くて、冬寒い」
植木屋でよく言われる言葉をふと思い出す。
季節ごとの厳しい気候を直接肌で感じねばならず辛いという意味で使う言葉だ。
わたしはむしろいい話じゃん、と思っていた。
季節を丸ごと体で体感できるなんて、素晴らしいな、と。
植木屋見習いの時は、心頭滅却して、その暑さや寒さを我慢してきたけど、それは長くは続かないことに気付いた。
これからは、工夫して、もっとうまく付き合いたいと思う。
暑さも寒さも感じつつ、でもうまく避けて、自分が使いたいところにエネルギーを使う。
自分の体も、周りの環境も両方大切にしたい。

畑の土が、野菜を植えるための準備をして待っててくれている。
それに応えるながら、楽しみながら、私たちはまた畑へ行くんだろうな。

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