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niwagurashibooks 「mahora」

去年、ドイツに旅していた時のこと。せっかく憧れの土地に来たというのに、わたしはなぜかとても気持ちが落ち込んでいた。楽しまなきゃ!と思えば思うほどに、楽しめなくなっていて、孤独感でいっぱいになっていた。


そんなときに励まされたのが、友人から手渡された1冊の本、「mahora」だった。

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街中でも自然の多いベルリン。
広場の木陰でひと目もはばからず、寝っ転がって読む。
充実した内容で、一枚一枚じっくり読んでいたつもりが、数時間で読んでしまった。

お守りのようにして街を歩く時はいつも鞄に入れて連れ回り、共に日本に帰ってきた本。
何気なくいただいた本だったのだけれど、気になっていた方がインタビューされていたり、実際にお会いしたことがある方が載っていたりと、自分の感覚と取り上げられてるテーマがマッチしている気がした。

時間も場所も飛び越えていくような響きのある言葉、「mahora」。
本の最初にも、その意味が書かれている。

「mahora(まほら)」とは、美しい場所、すぐれた場所を意味する古語。

まさに語感とぴったりだ。

画家のミロコマチコさん、映画監督の河瀬直美さん、大地の再生の矢野智徳さん、、、(その他いろんな素敵な人が出てきます!)出てくる方々も、みな同じような雰囲気を纏っている。


それぞれ違うことをしていても、疑問に思ったことを一つずつ丁寧に拾い上げたり汲み取ったりして、それに対して真剣な眼差しを持ちながらも、現実世界を生きている。自分の感性で物事を見つめ、その感性を大切にしながらも、周りとの調整もしながら、地に足をつけている。そんな雰囲気が伝わってくる。

そして、この本には、一人で編集されている岡澤さんの思いが乗っている。一般流通させず、一冊一冊静かな情熱を込めて作られた本。印刷に対しても真摯に向き合ってらっしゃるなあ、、、としみじみ思う。

本の説明をもっとしたいけれど、なんだかうまく言葉が見つからない。
願わくば、この結びを紐解き、美しい本を手にとってみてほしい。


この心にジワジワとくる熱を共感できたら嬉しい。

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