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河村勇輝のこと

ある心霊系ユーチューバーが言った。
第六感を鍛えるにはその手前の五感を鍛えることが必要で
一番研ぎ澄まされているのはスポーツ選手である、と。
スポーツ選手はゾーンに入ると5分先まで状況が見えることもあると。

スポーツをしたことがある人全てが感じていることだが、
試合中に自分の能力を全て出し切ることの難しさだ。
自分の能力を信じていること。
自分の能力を信じることができるぐらい鍛錬し
その力を限られた時間の中でフルに発揮することができる能力が必要だ。
バスケの試合は40分。
彼らはその限られた時間で能力の全てを出そうとしている。

彼は、司令塔ととして仲間を生かすために周りの状況を常に把握している。
集中している。
周りを生かすか、自分でシュートまで持って行くか。
それを瞬時に判断する。

そして
失敗はすぐ忘れて、常に冷静でいる。
自分を信じて、仲間を信じている。
それを40分の中でできるだけ長く深く実践しているのが、河村勇輝である。

失敗をすぐ忘れて切り替えることは
いわゆるクリアリングをしていることになる。
失敗を引きずっていたらいいプレイはできない。
常に冷静でいることはグランディングをしていることと同義だ。
彼らは常にマインドフルネス今ここ状態でいる。
今ここを全力で感じながら、勝って行くためにどうするか。

河村がゾーンに入って、自分より背が高い相手の頭の上から3Pを決める時。
抜き去ってレイアップを決めるとき。
誤解を与えかねない表現で申し訳ないが
彼の顔はこれから相手を切りに行く武士のようである。

殺すか。殺されるか。
体から舞い上がる白いオーラ。
深い呼吸と、静寂。
時間が止まって見える。
顔が違う。
河村のあの顔が見たくて
試合を見ていると言っても良い。
勝つのは自分だと。わかっている顔つき。
ゾクゾクする。
これを見ることができるのがスポーツの真骨頂。
人間の究極体験を40分で見せてくれる。

クリアリングとグラウンディングで
今ここ状態の選手が鍛錬した技術で
五感をフルに使い、5分先まで予測し
人を殺す勢いで自分より背の高い選手や、キャリアがある選手に挑み
勝ちにいく。
矢印を自分に向けて、失敗を外側には求めない。

これ、究極の統合が進んでいる状態ではないか。
河村のプレーを見て心が揺さぶられて、涙が出たりする。
見ている人を癒している。
究極体である。

河村はプレーをするだけで見ている人を癒し、情報を伝播し続けている。
究極に綺麗な状態を見せ続けている。

そうでない試合もある。
うまくいかない時もある。

しかし河村自身が完璧に統合している状態のとき。
奇跡的なプレーを見せてくれる。

ワールドカップのフィンランド戦のように。
純度が高い河村を見ることができる。
純度が高い状態をできるだけ長く続けることができれば
きっとNBAで活躍できるようになるだろう。


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