スポーツ観戦が好きな理由 バスケ男子日本代表の夏 W杯
この夏のバスケ男子日本代表の戦いは熱かった。
私自身、ミニバスから社会人になるまで、バスケットを続けてきた。
そして子供達3人ともミニバスから、最低限高校生まで、部活を続けてきた。
ミニバスから高校の部活まで、ほとんどの試合を観戦し、応援し、時には厳しく、時には見守り、ほとんどの試合を録画し、何度も見た。
とにかく、試合観戦が好きだ。
なぜなら、試合を見れば、選手のことがよくわかる。
指導者、指揮官のこともよくわかる。
スポーツ選手は、プレイで自身を語ってくれる。
プレイを見ていれば一目瞭然。隠すことはできない。
それを見させて頂くことがとにかく好きだ。
バスケットボールを昔から見ている人にとって、今回の結果を正しく予想できた人は少なかったと思う。
東京オリンピック等の過去の試合を見ていた人なら、疑心暗鬼になるのも無理はない。
2年前の夏は、長男とテレビの前で、絶望していた。
こんなバスケは見たくない。
勝ち負けではなく、伝わってくるプレイから感じたことは、決して私たちを震わせてははくれなかった。
試合から感じられる、選手の気持ちが後ろ向きだったと思う。
自分たちを信じていない。不安そうにプレーしていた。
見ている私たちは、それを敏感に感じて、ただ見守るしかなかった。
全敗。
そんな時間が流れていたテレビの画面を、ただただ眺めていた。
だから、渡邉雄太が、パリオリンピックに行けなかったら代表引退すると明言した時は、引退することになってしまうからそんなこと言わないでと思った。
もし、八村塁が参加しても、また全敗する可能性が高いというのが、私たち家族の見解だった。
ただ、希望はあった。HCがトム・ホーバスに変わったこと。
女子での実績を考えると、明るい材料の一つだった。
チームは指導者、指揮官次第で、見違えるように変わる。
子供達の部活でも、嫌というほど見せられた。
いい指導者に教われることは、幸運だ。
いい指導者とは、選手たちを正しく競争させ、その中で正しく成長させ、気持ちを一つにして、狡賢く、冷静に戦況に対処できる人だ。
この人のために勝ちたいと思わせるような人だ。
応援する気持ちはもちろん大きかった。
私たちの大好きなバスケットボールの、日本代表が躍進することはファンの願いだから。
まずは、勝敗というよりも、勇気を持って戦うところを見たかった。
自分たちの全ての力を出して、怖がらず、勇敢に戦う男たちを見たかった。
直前に行われた有明アリーナの強化試合に参戦しつつ、沖縄W杯はテレビの前で応援した。
結果は皆さんもご存知の通り。
今回は自宅で一人で観戦することが多かったが、心が震えて、止まらなかった。
泣きながら見た。すごいな。かっこいいな。頑張れ。戦ってるな。気持ちで負けてないな。決め切った。気迫と決意。俺が決めるんだという強い気持ち。迷いなく自身を信じているという眼差し。ゾクゾクした。
今まで経験したことのないプレッシャーに対して、勇気を持って切り開いていった男達の顔。
痺れた。
試合時間40分という枠が決まっている。凝縮している時間の枠。
未来には保証がない。
自身のこれからのプレーによって、いくらでも未来は変わる。
スポーツにおける時間の枠は、人間の人生の凝縮だ。
ぎゅっとつまっている。
選手のプレイヤー人生をリアルタイムでみることができる。
40分で。
自身が積み重ねてきた、技術、経験を駆使して、持っている力を最大限に出す。
自身の力を最大限に出すことがいかに難しいかは、ほとんどの人が知っていることだ。
時には持っている力以上のプレイが出ることもある。
そして、失敗を怖がらないでチャレンジすることはとても勇気がいる。
それをやりきり、結果を出すことがいかに難しいか。
チームプレイであるバスケットボールなら、それぞれの選手の人生が絡み合って生まれる相乗効果もあり、チームとしての力となって膨れ上がる。
監督の采配を含め。監督にも監督の人生がある。
そんな瞬間を積み重ねて見せてくれる。
何という福眼。
それを目にした瞬間瞬間。私の心は震える。
綺麗なものを見せてくれてありがとう。
私もそうなりたい。
私の人生の枠はわからないけど。一日、一週間、一ヶ月。大事な人と過ごしている数時間。
そんな枠の中で、そんな瞬間を過ごせたらいいなと思う。
だから私はスポーツ観戦が好き。好きな理由だ。
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