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主はあらねど花は咲く(抒情詩)


路を外れた威が
(あなたへ)
大きく波となって押し寄せる
辺りは(すべて)
途になってしまう

智は離れ
濡れ流れ
緒を見失いそうになる
けれど
我も彼も別かたれぬ世の
他になし
禮は祖へ捧ぐもの

月に舞を奏で
夜な夜な
夢の音で楽しませる

雨が埜に孔を於くごとく
誰が爲に矢を磨く

祁に神宿り
降る呼えの恵み尊し
而し
吾は佐紀に喩えを
目に未ず
詩は枯れ落ちる

笑み咲く陽は裳を西に曳く
主はあらねど花は咲く
流れる雨に息吹あれ

天に舞う
巫女の御光よ
祁より生えそむ
虹の裳裾よ

忘れるように流れ
流れるように生まれ
頑なな巌を撫でる
霞みは
消えまた生まれる