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キュートアグレッションと天才



ためらいながら何もできない
天才には解消できない朝があって

痣を押し付けるまたは、押し付け合う
月の輪熊は素直に罰を待つ昼があって

居着くことを良しとせずそれでも
異なる文字コードを吐き捨てる夜があって

それぞれの夢が
とても長い年月を経て
キュートアグレッションとなって
小麦色のちいさなうさぎをどうにか

ため込んだスキーマを語れないままに
石に刻み込んだきり消えた
古い人類にも火はあった

彼らの古代文字は傲慢な意味に解読される
こちら側のクオリアでしか分かりえない
「それらしさ」

地平線よりも水平線のような曇り空の下
その向こう側が見えない弱さを持っている

儚い奥底の満ち足りなさとか
どうしても天才には分かり得ないものばかり